マーケットリーダーとしての自負とプライド 快適な滞在の追求による満足感を
---直近のコンラッド東京のケースでも結構ですが、コロナ禍における対応などについてお聞かせください。
ヒルトン全体の話となりますが、コーポレートオフィスより2020 年4 月、新たな衛生・消毒基準「ヒルトン・クリーンステイ」が策定され、それに準ずる形でお客さまはもちろん、チームメンバー(従業員)にとっても安心・安全につながるような取り組みが行なわれました。プロパティ単位ではヒルトン・クリーンステイのもと、感染防止や衛生を意識した「リフレッシャートレーニング」が各ホテルのトレーニングマネージャーによって実施され、実際にお客さまやチームメンバーにヒルトンが約束する安心で安全な環境が提供されたという流れになります。今でもトレーニングは継続しており、朝のミーティングなどでリマインドされます。
ほかにも昨年7 月、「ヒルトン・クリーンステイ」の衛生基準を導入した「EventReady」というプログラムの実践によって、コロナ禍においてもミーティングやウエディングのお客さまにしっかりとリーチしてきました。結果、今年3 月には50 名規模の授賞式も開催できましたし、2 月末の緊急事態宣言解除以降、需要の戻りも見え始め、今年の年末から来年実施予定にかけてウエディングの新規は非常に好調です。
---2 度目の緊急事態宣言(2 月28 日)の解除後、稼働の戻りや伸びについてはいかがでしたか。
ゆっくりとですが確実に、稼働は回復に向かっていました。3 月20 日は昨年11 月以来、180 日ぶりの高稼働となりました。春休み期間の稼働も想定以上で着地でき、ファミリー層の需要が高まる初夏以降にかけて、引き続き回復していくのではないかと期待していますが、春休み以前より、マーケットの中ではパフォーマンスがよいと見受けられる状況が多くありました。これはコロナ以前から引き続き、コンラッド大阪が当エリアにおけるマーケットリーダーの一つであることを証明しているのだと感じています。
ヒルトンでは、3 月にヒルトンオナーズメンバーを対象に「フラッシュセールキャンペーン」を実施したことも、3 月から5月の稼働を底上げした一因となっています。今後のオンハンドは週末を中心に回復し続け、Go To トラベルキャンペーンの再開をきっかけとし、平日の稼働も大きく伸長していければと考えています。
---需要が回復していく中で、プラン造成や販売についてはどのような意識で取り組まれているのでしょうか。
ラグジュアリーのセグメントをターゲットに、斬新でこれまでにないものを提供するという方針はコロナ以前から変わりません。現在は国内市場がお客さまの中心で、宿泊においてはファミリー利用が増えておりますので、滞在をゆっくりと快適に、ご家族全員がお楽しみいただけるようなステイケーションプランや食事つきのプランの販売を行なっています。デイユース利用も一定数需要があり、仕事や打合せなどにもお役立ていただいていると思います。
F&B 部門はコロナ禍よりアフタヌーンティーが非常に好調で、ストロベリーをテーマした期間(2021 年1 月12 日~ 3月31 日まで販売)は毎日3 回転していました。インフルエンサーやインスタグラマーによる情報発信の影響のほか、ストロベリーシーズン中にメニュー内容にアレンジを加えることで、リピーター促進にも努めていますが、経験やアイデア豊かな多くのチームメンバーの存在に、非常に助けられてると強く感じる部分です。
アフタヌーンティー販売の好調は、「ストレスからの解放」というお客さまの心理的なニーズを触発しているとも考えています。そしてそこに付加価値を加えることが、私たちのミッションであると言えます。
---ホテルのコンセプトである「YourAddress in the Sky -雲をつきぬけて-」と、40 階という高層階からの解放感が、お客さまの心理的ニーズにマッチしているという印象ですね。
ほかにフィットネスメンバーの登録数も今まで以上に増えていますが、ホテルが持つ特別な開放感が、お客さまを惹きつける魅力になっていると感じています。もちろんホテルとしては最新機器を取りそろえ、安心・安全に努めた最高の環境を提供しています。