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新連載 新連載 求められる人材を探る「Wプロフェッショナルズ」

㈱ホスピタリティマネジメント 代表取締役社長 菅野 潔 氏

【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月10日(木)
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若者たちから喫煙タイムに非難の目
 
福永 ウエディングでは、部門間やパートナー企業間など、さまざまな人たちとかかわります。管理職の中には状況が悪くなると外部要因を業績低迷の理由にする方もいらっしゃいます。もちろん、ウエディング業界の実状や取り巻く環境の変化からすれば、必ずしもNO ではありませんが、もっと現場をみること、現場のスタッフとともに改善していこうという努力なしでは進みません。“過去やっていました”とか“そんなことは知っています”と言う管理職の方もいらっしゃいますが、できていないから現状に陥っていることを認め、菅野社長のおっしゃるようにチームで取り組んでいくことが不可欠です。
 
菅野 皆で改善していくんだ! という機運を高めていくためにはスタッフのモラルも大切です。遅刻や就業中の姿勢など、一人でも順守できないものがいれば同じ方向に向いて改善するための足並みがそろいません。一例ですが、若者から見ると先輩や上司の就業中の喫煙に対して問題視する声が出てきます。喫煙所のコミュニケーションという声もありますが、実は“喫煙タイムはムダな時間”として若者は厳しい目で見ているのです。特に対面のサービス業において喫煙による臭いはお客さまに不快感を与えます。どうしても吸いたいのであればお客さまに不快感を与えないためのルールを作らなくてはなりません。まずは内部のスタッフをきちんとただすことが窮地から脱するための第一歩なのです。
 
福永 確かに部下は上司の行動をよく見ています。HOTERES でも連載いたしましたが、ウエディングプランナーのご機嫌取りに飴やお菓子を配っている上司がいます。もちろん、表面的にはにこやかに対応しますが、そんな上司を見て愕然としているのが実状です。飴を配っているよりもっとすべきことがあるでしょう、という冷ややかな目で見ています。自分たちと真剣に向き合い、考えてくれる上司や先輩の存在は重要です。ウエディングはどんなに優秀なスタッフでも一人では実施できません。多くの方とかかわり合いながら一つの結婚式を作り上げていきます。だからこそ、モラルやお互いに共通するルールを守り続けていくことも、より強いチームワークづくりにつながっていくのです。
 
小さなヒットとなった“ おにぎりバー”
 
菅野 そうですね。まずはモラルです。モラルに掛けている人材は特にサービス業においては向いていないでしょう。そして考えること、考えることへの習慣化です。例えば改善に向けた多額な投資ができないとき、どうしますか。まずは自分たちでできることが何かを考えなくてはなりません。よくよく社内を見渡すとムダな電気をつけていませんか。
 
 2011 年の東日本大震災以来、省力化が企業の姿勢として評価されています。いわゆる“エコ”です。サービス業だからと言って宴会が終了したお客さまがいない時間帯のホワイエの電気をつける必要がありますか。このようにムダにつけていた電気を消すだけで電気料金を節約することができることを数字で示すことが大切です。少しでも収益を改善するための細かな積み重ねをすることが大事なのです。
 
福永 まさに小さな積み重ねですね。
 
菅野 朝食もしかりです。どうしたら原価率を下げながらも顧客満足度を高められるかを考えれば、そこでまた利益を生み出すことができます。あるホテルの朝食で現場の若手スタッフと弊社のスタッフの提案で、「おにぎりバー」を始めました。その結果として喫食率が上がり原価率を下げ、さらには顧客満足度をアップすることができたのです。このように小さなことですが、自分たちで考え行動することで利益を上げ、顧客満足度もアップできるという自己体験を繰り返し体感すること、させることが企業改善の根幹にあると思います。お客さまと従業者の信頼関係がホテルおよび企業のブランドイメージをUP させることを理解していただくことが、求められる人材育成のために最も大切にしていることです。

㈱ホスピタリティマネジメント
代表取締役社長
菅野
都ホテル東京(現シェラトン都ホテル東京)、ホテル西洋銀座(開発準備室、予約、営業、事業開発室等の各部マネジャー歴任)、セゾングループとNTTグループによる総合会員制ホテル・ウラク青山の取締役総支配人を経て、2003 年ホスピタリティマネジメント㈱を立ち上げる。ホテル西洋銀座当時よりコンサルティング業務、ホスピタリティ研修、マーケットリサーチなどを手掛ける。現在は、ホテル、旅館、婚礼ビジネス、飲食ビジネスの収支改善、経営分析、事業評価、新規開業サポート等も手掛けると同時に、異業種での講演・セミナー実績も多数あり。

㈱フェイス
代表取締役
福永有利子
レストラン・ゲストハウスのウエディングプランナーから各現場の管理職としてマネジメントを担い、確実に業績を伸ばしてきた。2003 年にウエディングプランナー養成スクール講師をはじめ、06 年より大学にて非常勤講師として教壇に立ち、現在も教鞭を執っている。06 年堂島ホテル婚礼部長に就任、その後08 年同ホテル副総支配人に昇任。09 年には㈱フェイスを設立し、代表取締役に就任。現在は、ホテル・ゲストハウスを主に成約率向上を目的としたトレーニングや集客戦略立案・実践支援などのコンサルティングに加え、ウエディング全般にわたる支援を行なっている。著書・ウエディングプランナーじゃない、アカンのは上司や! 悩める管理職のアメムチ19 の育成術

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