インバウンドが見込めない状況の中 近隣の関東エリアからの集客を図る

■浅草東武ホテルの特徴を教えてください。

篠田　浅草東武ホテルの特徴の１つとして、都内ではあまり見られない家族向けのフォースルームを多数用意しております。多くの客室で洗い場付きのバスルームを採用、トイレと洗面所を分離するなど、快適空間の確保に努めています。浅草という日本を代表する有名観光地と、ハローキティという日本を代表するキャラクターのコラボレーション「ハローキティ ルーム」の稼働も好調です。

新型コロナウイルスの影響で本来ターゲットとして見込んでいたインバウンド集客が見込めない中、国内のファミリー、女性の小グループをターゲットに、全客室が２名以上のタイプとなっている特徴を活かした販売をしていきたいと考えております。

エリア別に見ると、現在は、関東のお客さまが多数を占めており、マイクロツーリズムとGoTo トラベルがポイントとなっているように思えます。地方からのお客さまは現在少数ですが、近隣の関東エリアからのお客さまの取り込みを図りたいと考えております。

■レストラン「壱之壱」のコンセプトを教えてください。

「手作りの料理にこだわる」です。一般的にホテルは大量生産品を購買する傾向が強いのですが、私たちは可能な限り自分たちで手作りした料理を提供する姿勢で臨んでいます。

朝食は、３つのコンセプトに基づいて、独自のスタイルを打ち出しています。最も代表的なのは「おにぎりカウンター」で、厳選した食材から好きな具材をお客さまに選んで頂いて、目の前で握るスタイルです。他のホテルでは見られないオリジナルの提供方法によって朝から温かいおにぎりを食べられるという体験を創出し、特別感を打ち出せていると自負しています。

次に「おばんざい」です。季節感あふれるホテルメイドのおばんざいを、体にやさしい味付けで召し上がって頂いています。江戸野菜、東京野菜を上手く使いながら、地方や海外から訪れたお客さまに食を通じて東京を感じて頂く方向性も追求していきたいと考えております。私たちは毎朝、豆腐も手づくりしています。

３つ目が、バターの香りが食欲をそそる焼きたてデニッシュパンです。中でも「焼きたてのクロワッサン」が自慢の逸品で、五感でおいしさを感じて頂くことで満足度の向上につながっていると考えます。

ランチにおける当面の課題は、リピート率を高めていくことにあります。その実現のために、「お客さまに驚きと喜び、感動を与えられる料理を作る」をコンセプトに掲げました。ランチコースは2750 円（税別）で、メインディッシュは洋食５種類、和食２種類の計７種類の料理から選べるスタイルが好評ですし、目を引くデザートワゴンも好評を頂いております。当初からの狙い通り、多くの女性のお客さまにご利用頂いております。

コロナ禍の現在夜は営業見合わせておりますが、将来的には、ディナーも検討し、近隣のお客さま、宿泊のお客さまを取り込み、4000 ～ 5000 円での提供を想定しながら準備を進めております。