“CourageRed”で統一された店内は数多くのレストランがひしめく麻布十番の中でも遊びを知る大人たちから愛される存在になっている
コロナ禍をきっかけに山田チカラ氏や奥野義幸氏といったスターシェフとのコラボレーションやCourageBreadの販売と新たな取り組みで話題をふりまいてきた麻布十番の人気店「Courage」がサンペレグリノヤングシェフ世界大会にて日本代表を務め、2019年のWorldBest50にランクインしたオーストラリアの「Brae」でも研鑽を積んだ古屋聖良氏をシェフに迎え、新たなステージの本格始動を始めた。前身は学士会館「精養軒」で修業を積んだ古屋氏のクラシックフレンチの実力は、「Courage」で提供される料理のソースを味わってもらえれば誰もが納得することだろう。徹底的に身に着けられたオーセンティックな基礎を土台に彼女の持つセンス、女性ならではの視点、そして若さがなす挑戦が込められた一皿、一皿に「Courage」そして古屋氏の今後の飛躍に大きな期待を感じるのは筆者だけではないだろう。
「Courage」の新シェフに就任した古屋聖良氏
今回、オーナーの相澤氏が古屋氏をシェフに迎えるにいたった出会いは2018年に一夜限りのイベントとして開催された『ガガン&ダニエレ アット・マンダリン・オリエンタル・東京』においてのこと。偶然、同テーブルになった古屋氏が当初抽選にもれ席が取れなかったことにもかかわらず、ガガーン本人にメールを送り、彼女の思いに触れたガガーンから彼らの枠として持っていた席を提供されたという話を聞いたことに始まったという。その際、彼女のガッツやガストロノミーに対する情熱、さらに真面目で芯の強さを感じる人柄に強い感銘を受け、彼女が独立の折にはぜひタッグを組みたいと思ったそうだ。その後、数年の時を経て今回の新生「Courage」が誕生した。まだまだ未知数の可能性を秘めた古屋氏が「Courage」が開業当初から拘ってきた極上の食材にどう取り組み、花開かせるのか? また相澤氏のホスピタリティと遊び心とどう共鳴していくのかとても楽しみだ。日本もだいぶ女性活躍促進が叫ばれ、求められる時代となったがまだまだ魅力的かつ実力の伴った女性シェフの活躍はまだまだ少ない。古屋氏には「Courage」と共にぜひそんな女性シェフ市場への新風となることも願うところである。今後の「Courage」、そして古屋氏に期待したい。
Courage
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