保存管理、ペアリングのやり方、飲み方を伝えていくことで、海外市場が創造できる
島田 日本酒を正しく扱ってくれる海外のレストランを選ぶ際に、ポイントとなるのは何ですか。
薄井 海外のレストランにおけるアルコール飲料の中で、日本酒は常識になりつつあります。だからこそ、間違った日本酒の飲み方を植え付けてしまうわけにはいかないのです。私たちは価値の創造を常にしていかなければなりません。そして、保存管理、ペアリングのやり方、酒の飲み方を伝えていくことで、海外のマーケットを創造していく必要があると考えています。
外国人が日本から新しいものを取り入れる段階で間違った情報が入ってしまうと、そちらの方向にすべて流れていってしまいますから、私たちが正しい情報を伝えなければなりません。ワインの場合は指導してくれるソムリエという存在がありますから、日本人も間違ったワインの飲み方をほとんどしませんよね。それと同じ方向に日本酒を持っていかなければならないのです。
島田 国内市場と海外市場は分けて考えていますか。それとも一つのグローバルな枠組みでとらえていますか。
薄井 一つの枠組みです。外国のワインは国内シェアが10%で、90%は海外への輸出分になっています。現在、私たちの酒は年間の売り上げベースで海外のシェアは15%です。これを将来的には30%から40%のレベルまで引き上げていかなければいけないと考えています。
仙禽の酒は酸が高いというスペックによって海外の人々の味覚や文化にフィットできていると思いますので、輸出のシェアを高めていけると確信しています。ゆくゆくは仙禽の味を日本酒の世界基準にしていきたいですね。