どれだけ優秀であっても、本来であれば一つの目、頭で複数の現場の細かいところまで分かるわけがない。エリアと言っても、実は細かな変化は個々の現場に起こっている。それを見ている現場スタッフの目をなぜ使わないのか。 結局は、そうした現場の目を育てること、使わせること、そして彼らに考えさせること、考える力を養うこと、これらの努力を怠ってきた本社、経営者に責任がある。
本社やエリア本部主導という体制をとることで一時しのぎでそうした現状を部分的にカバーすることは可能であろうが、現場に立たない人間が現場に立つ人間と同じ“心”を持って考えられるかと言えば、それは無理だ。そして、現場の“手足”は彼らを心からは信頼をしていない。そんな組織が、本当に良い価値をゲストに提供できるわけがない。
このような時期だからこそ、自身のビジネスの本質的な価値、本来あるべき姿を見つめ直してみてはいかがだろうか。今、自分たちは本来あるべき組織体制、姿にあるのか。本質的な価値を追求するのであれば、すぐには実現が難しいとしても、どのような努力が必要なのか、考えてみてはいかがだろうか。
2020年4月17日号 FROM THE PUBLISHER
FROM THE PUBLISHER 太田 進 目と頭と心
【月刊HOTERES 2020年04月号】
2020年04月15日(水)