坂村 トヨタグループの大きなプロジェクトの中で、私どものブランド「アンバウンドコレクション byHyatt」を選んでいただき光栄です。
伊奈 さまざまなホテルのオペレーターの方々とディスカッションさせていただく中で、ハイアットは日本のホテルマーケットにおいて非常に強いブランド力を持っていると私たちは判断しました。実際にハイアットは、日本国内でとても価値の高いホテルをいくつも展開されています。
私たちのプロジェクトに関する考え方に、ハイアットが強く共感してくださったことも大きな理由です。トヨタグループ、東和不動産の想いをしっかりと受け止めていただけたと理解しています。
モータースポーツのミュージアムと一体化したホテルであることが一番の特徴
坂村 コレクションブランドについてハイアットは後発で、アンバウンドコレクション byHyattが世界的に発表されたのは最近のことです。ラグジュアリーをテーマにした各社のコレクションブランドが立ち並ぶ中で、ハイアットらしいコレクションブランドとは何かを考える必要がありました。
そこで出てきたハイアットのコレクションブランドの必要条件は、「唯一無二な個性を持ったホテル」「独自のストーリーがあるホテル」の2つでした。これらの条件が要求されるアンバウンドコレクション byHyattを日本で展開するためには、どのようなホテルがぴったりくるのか。日本でハイアットを任されている私としても、そのコンセプトをいかに具現化するか迷うところがありました。
ところが富士スピードウェイのお話を東和不動産からいただいた瞬間、「これだ!」と思ったのです。これこそがアンバウンドコレクション byHyattがやりたいことなのだとすぐに腑に落ちたのです。
トヨタグループが 100年近くにわたり取り組んできた自動車事業の歴史。モータースポーツの歴史を刻んできた国際級のサーキットである富士スピードウェイ。その歴史が持つストーリー性を考えれば、宿泊するお客さまに提供される体験はアンバウンドコレクション by Hyattが追求する「唯一無二の個性」「独自のストーリー」に見事にはまるはずです。
伊奈 現状の富士スピードウェイはレースがある日に関東や中部圏から人々がクルマでやって来て、レース観戦後はそのまま帰っていく。レースを観るための場所との認識が強かったため、レース観戦以外の滞在時間が非常に短い傾向にあります。
現地を改めて視察したところ、周辺エリアには富士山、ゴルフ場、アウトレットなど、多くの観光資源があることを再認識しました。富士スピードウェイの価値をより一層向上するためには、周りにある観光資源も楽しんでもらいつつ滞在時間を伸ばす必要があると考えました。その方法のひとつとしてホテルを創りたいと思ったことが、アンバウンドコレクション by Hyattの計画のスタートです。
今回のアンバウンドコレクション byHyattの一番の特徴は、モータースポーツのミュージアムと一体化したホテルであることです。事業計画においてホテルを創りたいという想いとともに、富士スピードウェイという歴史ある国際的なサーキットの過去・現在・未来をお客さまにお伝えする施設も必要だと考えました。
坂村 富士スピードウェイ、モータースポーツのミュージアムに魅力を感じて来てくださるお客さまに向けて、アンバウンドコレクション byHyattに滞在することでホスピタリティー、サービス、ケアにさらなる付加価値があると感じていただけるようにすることが、ハイアットに課せられた使命となります。