自称“学びオタク”というのが、本誌に月1回連載を執筆いただいている㈱ティーライフ環境ラボを指揮する加藤淳子社長だ。ファッション業界からテーブルコーディネート、ホテルのウエディングプランナーの育成、イタリアやフランスのプリンセスを題材とした文化教室の講師など衣食住生活環境の研究開発を理念に取り組んでいる。グローバル化の中、日本人にとって何が必要なのか、育成はどうあるべきかなどをお聞きした。
福永 HOTERES の連載で常に世界を視野に入れた啓蒙をされていらっしゃいます。長い歴史の中で刻まれ、受け継がれてきた日本文化や慣習はとても素晴らしい財産ですが、グローバル化が進行する中で、それだけでは対応できない時代となりつつあります。そこで今回はグローバルな視点で次世代に向けてどう向き合い、何を教え、伝えていくべきかなど、お聞かせください。初めに御社の取り組みをお伺いできればと思います。
加藤 ティーライフ環境ラボは衣食住生活環境の充実化、向上を目指しています。日常生活や職場環境は情報化の中で目まぐるしく変化しています。その中で個々の思考の中で取捨選択を繰り返し生活しています。かつてのように日本人だけの社会と異なり、さまざまな文化や思考が渦巻く中でどのように生きていくべきかを模索している方も多いことでしょう。
また戦後の日本経済高度成長に伴う豊かな生活から本来受け継いでいかなければならなかった日本の伝統的な儀式や地域に根ざした慣習が置き去りにされてしまい、日本人としてのアイデンティティーが失われつつあります。日本、そして日本人の素晴らしさを再認識していただくためにも、今、声を大にして伝えていかなければならないことがあふれています。そのためにもまずは源である健康な体、思考、精神を取り戻すために衣食住というトータルライフをテーマに建築都市設計部門とアカデミー部門の2 本柱で事業展開しています。