“サービス業を一般事務職や企業と横並びにしたい”という熱い思いでブライダルを軸にサービスやスチュワードの請負事業や人材派遣・紹介を行なっているのが松永 晋社長率いる㈱パシフィック ダイナー サービスだ。“サービス業は…”と敬遠されている中、2003 年に起業以来、新卒60%強に達し、300 人を超えるスタッフとともにサービス業の社会的地位の向上に努めている。IT 業界からサービス業界に舵を切り替えた松永社長に人材育成の取り組み、職場環境の改善などをお聞きした。
福永 人材が最も不足しているといわれているサービス業界で、学生のアルバイトも、なかなか人が集まらず厳しい状況が続いています。スマートフォンの発達などにも影響されているのか、人との直接の会話を好まない若者も増えてきているようですが、喜怒哀楽、さまざまな個性や感性を持つ人との対話の中で生きがいを感じることができるサービス業や接客業からは足が遠のいているのでしょうか。このような環境の中で、御社はブライダルのサービス請負を主軸に300 人を超えるスタッフで運営されていらっしゃいます。初めにサービス請負業を始められたきっかけは何ですか。
松永 もともとはIT 業界で起業していました。そのときに㈱プラン・ドゥ・シーの野田社長と出会ったことがきっかけです。当時はすごい勢いでウエディングプロデュースや歴史的建造物を生かした結婚式などを展開され、あれよという間に従来のホテルや専門式場にはないウエディングスタイルで脚光を浴び、新たな市場を切り開いていらっしゃいました。その一方、IT業界も人気の業種として注目を浴び始めていたのですが、仕事はまさに静と動の真逆な関係にありました。私は元々、スポーツが盛んな報徳学園出身でしたので、人間臭さを意気に感じていただいてたのでしょう、野田社長にプラン・ドゥ・シーのサービスの請負業の誘いを受けたことを機に、IT 企業は仲間に受け渡し、起業するに至ったのです。サービス業界はまったく分からず、今もサービスのことは分かりませんが、逆に分からないからこそ、新人が経験を積むほどに自分を超えて成長していく姿を見て純粋な気持ちで“すごいね!そこまでできるようになったんだ”と声を掛けられることが、スタッフのモチベーションアップにつながったのかもしれません。