日本国内のインバウンド市場は、2015 年度に入っても2014 年度の実績を大幅に上回り、これまで見られないほどに好調な推移を示しています。この背景には円安為替環境や東京2020 年オリンピック・パラリンピック開催が決定したことに起因する世界的注目度の向上も影響しているものと思われますが、果たしてこの二つの要因だけが市場を力強くけん引していると解釈すべきなのでしょうか。
また20 年以降のホテルマーケットはどのような状況にあるのでしょう。それらを予測するには、現在のインバウンド市場が上記二つの大きなファンダメンタルの変化のみではなく、より広く市場を俯瞰して考える必要があります。日本の観光素材のどのような点にインバウンド市場は共感しているのか、またさらには国際的なライフスタイル変化の潮流や日本のビザ政策を含め改めてインバウンド市場を取り巻く環境から考えてみたいと思います。
第15回
新しい視点 「ホテルの価値」向上理論 〜ホテルのシステム思考〜
第181 回『拡大するインバウンド市場とホテル価値』
【月刊HOTERES 2015年08月号】
2015年07月30日(木)