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130 岡村 衡一郎  サービス・イノベーション-Part2 ~現場と本部が一体で進めるイノベーション~ 

130 その転記、なくせないか? 問題解決は根本的アプローチで

【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月26日(金)
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「その転記なくせないか」。
これは、施工図(建物を建てるために作成される図面)からバラ図(工場で、その建物に使用する材料をつくるための図面)への転記(100 項目から1000 項目にわたる)でミスが起こりやすいことをつかんだ、企業A の着想、作業自体をなくせば、ミスはゼロになるという問題解決のアプローチである。
施工図からバラ図への転記は、その業界にとっては当たり前に行なわれている作業フロー、多くの人はなくすという発想にはたどり着きにくい。
 
 企業A では問題が起こったときには、いままでの作業手順や作業フローを是としない。なくす、散らす、ズラす、これらの三択から解決アプローチを考えていくのだ。
一番いいのはなくしてしまうことだ。次に良いのは、前工程で同時に担ってもらって転記を散らす方法だ。
次の次に良いのはズラす、工程をズラして複数の手でその作業を担うことでダブルチェックにつなげる方法だ。
 
 1/5くらいのものはバラ図なしでも製作に入れるのではないか。
企業A では、ミスゼロに向けて、業界初の取り組みをはじめた。
これで100 の注文のうち20 は完全にゼロになる。
併せて散らす取り組み、前工程で描かれる施工図との連動でバラ図に落としこまれるシステムの開発をはじめた。
完成すれば、100 の注文のうち40 は転記がなくなる計算になる。
残りの40 はズラす、ダブルチェックで前後工程のチェックで工場にそのまま流れない対策を打つことにした。
 
 企業A の問題解決アプローチに人的還元の要素は限りなくゼロに等しい。
だからこそ、問題解決の根本に手が打てるようになっていくのだ。
キーワードは、なくす、散らす、ズラす。問題の発生原因となるところは、作業に注意を払うことではなく、なくしてしまう。
この着想を持つのが、一番効果的な方法につながる。
そのためには、前提を是として考えてしまえば手が打てない。
人とコトを分けて、やり方自体を見直していく必要がある。
 
 ミスを減らすのではなく、なくす。この仕事への向き合い方が根本的解決策をあぶりだす。

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