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第350回 北村剛史  新しい視点「ホテルの価値」向上理論 〜ホテルのシステム思考〜

第350回 『SAKURA QUALITY~レストラン編』

【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月19日(金)
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Profile
北村剛史
Takeshi Kitamura

㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
一般社団法人観光品質認証協会 統括理事
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI (米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事

 前回、「選択できることの心理的な価値(以下「選択の価値」という)」を「こだわりが感じられることの心理的な価値(以下「こだわりの価値」という)と比較した調査結果をご紹介しました。
 
レストランにおいて、こだわりが強く感じられる食事でも、メニューの選択肢が豊富な食事でも、否定意見はほとんど見られません。
 
「大変うれしい」から「ややうれしい」の肯定意見の合計割合を両者で比較してみますと、こだわりが強く感じられる食事は78%である一方、メニューの選択肢が豊富な食事については、同84.5%と「選択できることの価値」が、若干こだわりを強く感じられる食事という「体験価値」を上回っているという結果でした。
この結果は、顧客が自身で判断して自由に体験できる高度化した「こと消費」へのニーズが背景にあるように思います。
 
 インバウンド市場を前提に考えますと、日本の平均滞在日数が9 泊前後(アジア圏は3 泊から4 泊)と考えれば、高度化した「コト消費」にとどまらず、複数の日数をかけて時間を消費する「時間の消費」価値の向上も重要な要素となってきているはずです。

今後一層高度化する「時間の消費」価値向上のためには、現在全国で多くあるDMO の機能強化が一層求められるはずです。宿泊施設の機能向上、それを通じて徹底して地域に貢献しようする姿勢を有するDMO が増えれば、それら広域連携、地域連携、地域それぞれ圏域の異なるDMO 同士が連携し、地域経済への貢献とともに、インバウンド市場に対する「時間の消費」価値向上につながる壮大な取り組みになるはずです。 

この「時間の消費」価値を支えるため、2019 年度合計20の全国に所在する大小DMOとの共同プロジェクトとして進めております、宿泊施設の品質認証および品質改善プログラムである「SAKURA QUALITY」において、レストラン単独での品質認証プログラムを宿泊施設のプログラムと合わせて展開しています。
 

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