落合氏は、教育にまつわる論点は数え切れないほどあるが、その中でも特に「今の教育で教えられていることは生きていくために本当に役立つだろうか」ということを特に真剣に考えて欲しいと述べている。
日本の教育プログラムが何十年も前に作られ、その後数回見直しをしただけのものである点、生徒全員が同じ科目を同じペースで勉強することを前提としている点を挙げ、時代が変化し、個人の考え方やライフスタイルがバラバラになっていく中で、それぞれの理解や進歩が異なる3 〜40 名が同じ指導を受けるスタイルは効率が悪いのではないか、と指摘している。
個々のペースや特性に合わせると同時に、詰め込み型の学習のみでなく過去に事例のない問題を自ら設定し、その解決策を自ら考えるPHD 型の学習も大事だと主張する。
自ら考えるという点は特に重要だ。ホテルやレストランではとかく現場のオペレーションが画一的になりがちで、ゲストのニーズと合っているのだろうかと感じることも少なくない。そして、スタッフもそこに疑問を持っていなかったりする。「なぜ?」と自ら疑問を持つことが少ないのだ。
ホテルやレストランでは一部企業では入社時や三年目など多少の研修はあるようだが、それ以上の進化を聞かない。
外資系ではオンライン含めた仕組みはあるようだが、なかなかそれが現場に定着していないという話も聞く。
時代が大きく変化する中で、ホテルやレストランの人間に求められる内容も変化をしていることは間違いない。
一方で、トレーニングは、その時代の変化に合わせて変わることができているだろうか。
2019年3月5日号
FROM THE PUBLISHER ——太田 進—— トレーニングは進化したか
【月刊HOTERES 2019年03月号】
2019年03月08日(金)