時代が変わる中、ホテルの定義、役割も変わり、昨今開業が計画されるホテルもそれに合わせ変化をしていると感じる。しかしやはり私が魅力を感じるのは、オーナーの強烈な個性と情熱を感じる、グランドホテルだ。
私が子供の頃のホテルのイメージは、宿泊する場所であるだけでなく、企業の大切なミーティングやイベントなど、社交を楽しむための場、もしくは海外から来賓を迎えるための場といった複合的な役割を備えたホテルであった。
ほかではめったに出会えない食材や酒を提供してくれるダイニングルーム。
そこには、燕尾服を着た給仕たちが豪華にフロアを行き来している。
そしてメインの料理はシルバーのプレートからその給仕たちがスムーズに取り分けてくれる。
今考えれば非常に贅沢な、別の言い方をすれば手間のかかる、面倒なことを数多くやっていた。
週末にはジャズやオーケストラのライブ音楽のかかったディナーパーティーがあり、紳士・淑女が楽しく踊っている。
当時はあまり見なかった外国人ゲストが数多くいる。まさに映画のようなシーンが心に焼き付いている。
そんな中、昔のグランドホテルを想起させるようなホテルが間もなく香港に開業する。「ローズウッド 香港」だ。
FROM THE PUBLISHER ——太田 進——
強烈な個性と情熱
2019年03月01日(金)