今、さまざまな業界でアートやデザインの感性が注目され、それを持ち合わせた人材が求められる時代になっている。そのような時代の中で、ホテリエはこれまで以上に豊かな感性が求められる時代となっていくだろう。
年に一度、米国・テキサス州のオースティンで開催される「サウスバイサウスウエスト(SXSW)」という一大イベントがある。
世界のアーティストや先端企業のトップたちが集まるハイテク産業のクラスターがあることで知られるが、そこで2015 年に日系アメリカ人のエンジニアであるジョン・前田氏が「デザインインテックレポート」と題するプレゼンを行ない注目を集めた。
その内容は、近年アメリカ企業のマネジメントが“デザイナー”を積極的に活用する傾向が加速しているということだった。
2010 年から15 年の間にグーグル、フェイスブック、ヤフー、リンクトインといったシリコンバレーの大手が、デザイナーを創業者とするスタートアップを27 社も買収したという。
さらにその少し前にさかのぼると、2004 年から15 年までの間でも、大企業が買い取ったデザインファームは42 社にもおよび、アクセンチュアやマッキンゼーといったコンサルティングファーム、会計事務所のデロイト、金融大手のキャピタルワンなど、従来はデザインと縁がなかった異業種大手が積極的に買収に乗り出していたというのだ。
簡単に言うと、全米の企業ランキングであるフォーチュン500 に名を連ねる企業が皆デザインに関心を寄せているということだ。
FROM THE PUBLISHER ——太田 進——
ART & DESIGN
【月刊HOTERES 2019年02月号】
2019年02月08日(金)