ビジネスにおいてスピードが重要であることはもう何年も前から言われていた。しかし、そのスピードはどんどん加速している。そのような中で、企業の意思決定のスタイルも変わっていかなければならない。
先日、グノシーの創業者である福島 良典 氏の「センスのいらない経営」(総合法令出版)を読む機会があった。その中で、彼がソフトウェアの会社では“正しい判断”より“早い判断”が必要であると書いていたのが印象的であった。変化の早いIT の世界では常にスピードが求められ、判断が遅れればチャンスは容赦なく他人の手に渡ってしまう。とはいえ、早い判断とは言っても雑な判断ではない。判断するに足りる判断基準に従って決めるという。もちろん、情報が100%そろってはいない。アマゾンでも「70% の情報が集まったら意思決定をする」というルールがあるということを例に出し、そもそも、「正しい判断」をビジネスにつながった判断とするのであれば、正しいかどうかが分かるのは後のことであると。それにもかかわらず事前にそれが正しいかどうかばかりを考えて時間ばかりかけてしまうのは不自然ではないか、と言うのだ。そういう人ほど、「もっと情報がほしい」、「まだ決められない」と判断を先送りするとか。