和歌山県はIR 誘致の優位性と事業採算性、誘致後の経済効果を試算し公表している。それによると、県内のIR 誘致の候補地の一つとして、和歌山市湾岸部の「和歌山マリーナシティ」をあげており、同所は① 1994 年に竣工した人工島で、全域整地造成済なのですぐに着工が可能(ゆえに早期の投資回収が可能)、②敷地面積は40ha(IR としての活用部分は20.5ha)、③セーリングのナショナルトレーニングセンターが設置され、世界大会が開催されるなど、日本屈指のセーリングスポット(東京2020 五輪に向けた選手強化を実施中)、③最大130ft の船が停泊可能なヨットハーバーを備える(海上係留約220 隻/ 陸上保管約280 隻、関西でも数少ないコンクリート桟橋を整備済み)、④関西国際空港からの高速船の乗り入れや、和歌山港に寄港するクルーズ船からのシャトルシップなど、海上ルートの活用が可能、⑤周辺に多くのインターチェンジがあり車でのアクセスは良好な場所とし、具体的な優位性を強調アピールしている。その一方で、事業者からマリーナシティ以外の候補地について提案があれば、それも検討するとしている。
IR 誘致した際の事業採算性については、国際会議場・展示場施設を集客施設として設置し、主要施設としてラグジュアリーホテル(ホテル内にカジノを設置)・多目的アリーナ等を想定、敷地面積約20 万㎡、延べ床面積約46 万㎡の規模で、投資額は2799 億円、投資回収年数は8.7 年と分析している。経済波及効果については、来場者数約400 万人/年、運営等による経済波及効果は3000 憶円/年、雇用創出効果は約2 万人と算出している。また、カジノ施設の入場者数は2311 千人(内日本人は1127 千人)で売上高は1401 憶円を想定、税収は244 憶円と試算し、IR のもたらす経済波及効果は絶大としている。県では誘致に今後も積極的に取り組む姿勢を表明し国内のIR 誘致合戦に正式に参戦した。