例えば、アマンやブルガリホテルのような一泊10 万円超の5ツ星ホテルはそうしたステイタスの高い、スパやエステブランドに非常に興味を持っております。2020 年に向けて宿泊主体型ホテルは増えていますが、一方で富裕層のインバウンドに向けたこうした需要も高まると思われます。そこで重要なのはブランドの認知度です。一例ですが、パレスホテル東京はリブランドを機に「エビアンスパ」を、リッツ・カールトンにはイギリスの「エスパ」が入り、商品販売やスパの施術のほかに、各地に沿ったスパメニューの開発や現地スタッフに対するトレーニングなど、かなりサポートも充実しています。日本国内でやるのであれば、こうした点が不可欠になるのではないでしょうか。
まさにオルラーヌは1972 年、フランスのオルレアンに大規模な研究所を創設し、世界中のマーケットで多種多様なセグメントに対応した商品を輩出しています。商品販売網は薬局販売品からスパ商材の「Orlane」や「Annayake」のようなハイセレクトのブランドまで、幅広いセグメントをカバーした商品の開発を行なっております。「Orlane」はアパレルで例えるなら、非常に目の肥えたお客さまに対し、高い知識とノウハウでハイエンドのファッションを提供するテーラーメイドのようなもの。私たちのブランドミッションは、創始者の哲学「一流の洗練された技術者によって一流の商品をつくる」という思いから、フランスで最初のスキンケアコスメティックスのエキスパートとして、女性が心より望むスパプログラム・商品を提供し続けていくことにあると考えています。オルラーヌの最大の特徴としてはアンチエイジングという点で、オルラーヌはその先駆けとして創業当初より70 年以上にわたってアンチエイジングを推し進めており、1966 年には、パリのユーゴー通りの美容研究所(6000㎡)を開設。テーラーメイド的アプローチで人間の肌が何を求めているか追求し、人間が本来持つ機能、またそのメカニズムに働きかける最良の方法を商品開発に生かしております。開発商品は、美に対して非常に感度の高いハイエンドのロイヤルカスタマーにご愛好いただいており、こうした本物を知るお客さまを持っていることも、ルレ・エ・シャトーをコスメティックのパートナーに選んだ理由です。
ルレ・エ・シャトーしかり、世界中のスパ技術を体験されているハイエンドのお客さまを納得させるために、どのようなことに留意しているのでしょうか。
私たちには70 年以上、ハイエンドのお客さまに施術してきたという歴史と世界中でパートナーシップを結んでいるスパ技術があるほか、ハイエンドカスタマーの声を生かした商品や施術があります。施術者のトレーニングを行なう際、例えばアメリカであればアメリカ人のニーズを反映した施術や器具を用いたトレーニングを行なうなど、国籍などによって異なるニーズを満たす施術法だけでなく設計・デザインまでも配慮し作り上げていきます。さらにスタッフには、パリの研修施設で何度かトレーニングを受けてもらい、施術や機材の使用の仕方、接客の仕方以外に、施術後にどのように商品を販売するかというトレーニングもしています。直近の一番大きなプロジェクトとしては、中国でこうしたトレーニング機関でもある美容研究所(ベッド約200 台、約100 人の研修が可能)を開設いたしました。現在、中国市場では大きく展開はしておりませんが、中国市場でシェアの高いスパオペレーターとの提携契約を締結し、同社の既存施設にてオルラーヌの商品の提供や、アンチエイジングに特化したサロンの計画中で、北京や上海などで合計五つのスパの開設を進めております。