公開審査に臨んだ6 人
ステージ上での落ち着きは挑戦回数に比例か
第一部で行われた非公開の選考(テイスティング・サービス実技など)を経て、6 人のソムリエが同日16 時過ぎから行なわれた公開審査に進出した。公開審査は六つの行程で構成されている。①テーブル上のワインをテイスティングして3 分間で日本語でフルコメントをする ②テーブル上の八つのグラスをテイスティングして種類、産地、原料を答える ③すでにボトルのプレゼンテーションが済んでいる状況の7 人のゲストに対して、デュヴァル ルロワ社のキュヴェ・パリを英語でサービスして4 分以内に均等に注ぎ切る ④ワインをほとんど飲んだことのないゲストに対して、テーブルにセットされた課題ワインの魅力を3 分以内に英語でコメントする ⑤和牛を使った料理を食べたいというゲストに対して課題ワインとの相性を英語で3 分間でコメントする ⑥グラスワイン販売を検討している上司に対して、そのワインを採用するメリットを3 分以内で英語でコメントする というものだ。
おのおのの長所が生きた場面もあれば、英語でのプレゼンテーションに苦戦したりする姿も見られたが、最高峰の舞台で活躍できる人材を育てるという同協会の指針が強く感じられる内容。また口頭で示される設問に対する理解力や落ち着きも結果を左右しているように見えた。この公開審査と第一部の結果、面接内容を加味した結果、松永文吾氏(エノテカ㈱)、近藤佑哉氏(ホテルニューオータニ東京)、田中叡歩氏(ホテルニューオータニ大阪)の3 名がソムリエ・スカラシップに選ばれた。
また過去のスカラシップ優秀者を対象に行われた審査も行なわれ「NewZealand Winegrowers 賞」1 位を井黒卓氏、2 位を吉田雄太が受賞。「シャブリ賞」は谷川雄作氏が受賞した。
ソムリエ・スカラシップでは次世代ソムリエの育成と全日本最優秀ソムリエコンクール強化選手の選考を目的としており、スカラシップ(奨学制度)の名の通り、受賞者は協会技術研究部が用意する研修およびセミナー、トレーニングを受けて次のコンクールに向けた準備をしていく。今大会に4 度シリーズ Weekly Beverage『酒のSP』目のチャレンジで選ばれた近藤氏と田中氏、また2 度目で選出された松永氏ともに、今後の活躍に注目したい。
エリア 氏名 勤務先
関東❶ 近藤 佑哉㈱ ホテルニューオータニ
関東 井出 智也 エノテカ㈱
関東❷ 鈴木 友也 くろぎ 上海
関東❺ 松永 文吾 エノテカ㈱
関東 松山 大樹 エノテカ㈱
関東 藤原 世奈 エノテカ㈱
関東❻ 山田 琢馬 パレスホテル東京
関東❹ 渡邊 航大 ロオジエ
北陸 垣内 大樹㈱ ひらまつ
関西❸ 田中 叡歩 ホテルニューオータニ大阪
北九州 秋葉 友一郎 レザンドール
北九州 齋藤 奈紀 ウルフギャングステーキハウス 福岡店
第7 回 J.S.A. ソムリエ・スカラシップ最終審査進出者
敬称略。出場者氏名の前に番号がある者が公開審査進出者で、数字は出場エントリ―順