優勝した池上祐子さん。短期間でカクテルとしての創造性をしっかり構築しただけでなく、ブラインドテイスティングやレギュラー・ワークなど他部門も上位につける安定感で勝利をたぐり寄せた
日常の業務レベルがあらわになる
「レギュラー・ワーク」など
若手バーテンダーの技術向上の場リーガロイヤルホテルグループは3 月15 日と16 日、「RIHGA ROYALHOTELS Bartender’s Championship」をリーガロイヤルホテル大阪で開催した。この大会はグループ内の人材育成と技術向上を目的としたもので、このほか調理やレストランサービスなどの競技会も開催されているなか、バーテンダー・コンペティションとしては2011 年以来の開催となった。
今大会で何より興味深いのがレギュレーションだ。15 日に「ブラインドテイスティング」が行なわれた後、16 日に行われた審査「レギュラー・ワーク」はゲスト3 人の来店を想定し、マティーニ、ダイキリ、スコッチウイスキーのソーダ割りのオーダーを受けて模擬カウンターでドリンクを調製するもの。3 種類のドリンクが完成するまでのトータルの時間や技術、ドリンクの商品価値が審査される、通常営業時の業務レベルを問う内容だ。1 杯目と3 杯目が出来上がるまでの時間差、作り上げる順序の整合性などもクオリティに影響するため、日頃の業務姿勢が如実に表われる。また、WORLDCLASS といったメーカー主催コンペティションやフレア・バーテンディング大会のスピード競技とは異なる、ホテルバーメンとしての所作やもてなしも求められるだろう。
カクテルグラスに氷を入れてチルドするかしないか、ハイボールの作り方など、手順も含めて差があらわになるこの審査は井上新平氏(リーガロイヤルホテル大阪、以下ホテル名略)がほかの6 人を調製時間で大きく引き離し、またクオリティも評価された結果トップに躍り出た。