テーマ「ウェルカム」への理解と
作品を通したホスピタリティー

　フレッシュな大会らしい技術的な課題も見られた。大会関係者の一人は「ボトルの扱い方から教え直さないといけない」と厳しい声も聞かれた。ボトルやシェーカーから注ぎ出すときの手首のひねり方に対する、基本的な指摘だと思われる。また、ロングドリンク部門では、割り材の注入量が提出レシピより明らかに少ない様子が多く見られたほか、大きなデコレーションが付いたフルート型シャンパングラスのカクテルからは、どのように飲んでもらう意図なのか疑問が起こる作品も見られた。

「ウェルカム」というテーマへの理解が作品を通したホスピタリティーに結実していたか、ジュニアカクテルコンペティションらしい伸びしろとして、各出場者の今後に期待を寄せたい。

グリーンジャケットとキリンカップ授与
大会のグレード高める

　この日の会場では、各種スピリッツやウイスキーなどキリングループ商品の試飲ブースが並んだ。また出場選手の作品試飲もでき、投票によって前述のキリン特別賞が選ばれた。さらに「WORLD CLASS」2011 年世界大会優勝の大竹学氏（パレスホテル）、今年の世界大会に出場した槇永優氏（BarLeigh Islay）によるカクテルデモンストレーションが大会を盛り上げた。

　そして、今大会から優勝者にはチャンピオンの証しとなるグリーンジャケットと、次回大会までの貸与として優勝杯「キリンカップ」が贈られた。

　若手バーテンダーの育成を目的としてスタートし、大会システムも進化したキリンカップ。女性バーテンダーの健闘も目立った。「HBA クラシック創作カクテルコンペティション」と「WORLD CLASS」という二つの頂への登山口となる大会として、このステージを経た人たちが今後、あらゆるシーンで活躍されることを願いたい。