優秀賞はショート部門の中野賢二氏（ホテル日航立川 東京）とロング部門の岡村朗氏（Bar Cocktail BookShinjuku）が受賞。二人とも技術には定評のあるコンペティションの常連で、中野氏の作品「Lejay Mariage」はルジェ バナナをベースにホワイトチョコレートリキュール、アマレットにエスプレッソを合わせ、タイトル通りのマリアージュを表現した。岡村氏の作品「Flying Bird」はピンクグレープフルーツとグリーンアップルの2 種類のルジェ リキュールを使い、シャンパーニュを満たす爽快さを鳥に見立ててルジェブランドの意味合いと重ねた。二人には賞金10 万円が贈られた。最優秀賞のショートは三代川義典氏（Bar 奥）が選ばれた。三代川氏もコンペティション優勝経験のある実力者。ルジェ ペアリキュールをベースにジャパニーズ クラフトジン「ROKU」やゆず酒、グリーンティーリキュールを合わせた心地良さで飲み手の吉兆を願うカクテル「瑞風」に創り上げた。最優秀賞には賞金30 万円と副賞として海外カクテルの旅が贈呈された。

飲み手が輝く瞬間、成功を祝う一杯
日本の繊細さ、弾ける気泡で羽ばたく姿

　「カクテルアワード2017」受賞の「Ailed'ore」は桃とアプリコットのルジェリキュールと「ROKU」を調和させ、「オランジーナ フレンチスパークリング」を加えた一杯。イエローチェリーやオレンジの皮、金粉などを飾り、月光を身にまとった一羽の鳥が輝く未来に向けて空を舞うイメージを表現した。井上氏はこの作品を「お客さまが輝く瞬間、次へのステップアップや成功をお祝いするカクテル」として創作。「桃の華やかさとあんずのふくよかな味わいに『ROKU』の香りで日本の繊細さを加え『オランジーナ フレンチスパークリング』の弾ける気泡で羽ばたく姿を表現しました」と説明した。井上氏には賞金50 万円と海外カクテルの旅が贈られ、「サントリー カクテル アンバサダー」に就任して今後はサントリーホームページや公式Facebook ページでの連載企画などを実施していくことになる。

　このコンペティションは前身の「サントリー ザ・カクテルコンペティション」にさかのぼり、プロのバーテンダーがカクテルの創造性と技術を競い、その年の最高峰のカクテルを「カクテルアワード」として表彰するもの。カクテルを貴重な洋酒文化の一つとして育むことを目的に、1994 年からは毎年実施されている。定期開催されているメーカー主催大会としての長い歴史は業界内外でも認知されており、日本のカクテル文化を築き、羽ばたかせてきた存在意義は大きい。

「お客さまや先輩バーテンダーの方々からアドバイスをいただき、一から創り上げた作品。皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。これからもおいしいカクテルを多くの方々に知っていただきたい」と井上氏は喜びを語った。

2017 サントリー ザ・カクテルアワード
開催日 2017 年10 月5 日
会場 ホテルニューオータニ
▶カクテルアワード 2017（ロングカクテル部門最優秀賞）
井上新平（リーガロイヤルホテル、大阪府）
作品「Aile d’ore」（エル ドール）
▶ショートカクテル部門最優秀賞
三代川義典（BAR 奥、京都府）
作品「瑞風」（みずかぜ）
▶ショートカクテル部門優秀賞
中野賢二（ホテル日航立川 東京）
作品「Lejay Mariage」（ルジェ マリアージュ）
▶ロングカクテル部門優秀賞
岡村朗（Bar Cocktail Book Shinjuku、東京都）
作品「Flying Bird」（フライングバード）
審査員
岸久（カクテル文化振興会理事長）
酒向明浩（日本バーテンダー協会副会長）
早川惠一（日本バーテンダー協会専務理事）
小森谷弘（日本ホテルバーメンズ協会会長）
庄司浩（日本ホテルバーメンズ協会専務理事）
北村聡（プロフェッショナル・バーテン
ダーズ機構チェアマン）
舘野晴彦（『GOETHE』発行人・統括編集長）
仙波匠（サントリースピリッツ㈱社長）
※敬称略