⑴「待ち合わせや使いやすいロビーラウンジ」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル50.5%、シティホテル42%、リゾートホテル40.5%、付加価値額でビジネスホテル333円、シティホテル430円、リゾートホテル457円という結果でした。
⑵「高級感、落ち着いたいい雰囲気のバー・ラウンジ」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル21%、シティホテル15.5%、リゾートホテル20%、付加価値額でビジネスホテル597円、シティホテル586円、リゾートホテル551円という結果でした。
⑶「滞在時の安心感」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル81%、シティホテル62%、リゾートホテル64.5%、付加価値額でビジネスホテル479円、シティホテル476円、リゾートホテル551円という結果でした。
⑷「自由に選べる日系新聞サービス」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル33%、シティホテル29%、リゾートホテル24.5%、付加価値額でビジネスホテル317円、シティホテル325円、リゾートホテル348円という結果でした。
⑸「見なえいところではあるが、徹底した防犯防災体制」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル72%、シティホテル59%、リゾートホテル65%、付加価値額でビジネスホテル397円、シティホテル408円、リゾートホテル429円という結果でした。
⑹「客層の統一感」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル32.5%、シティホテル19.5%、リゾートホテル28.5%、付加価値額でビジネスホテル425円、シティホテル389円、リゾートホテル422円という結果でした。
⑺「自身の社会性(地位等)と整合する客層」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル21.5%、シティホテル16%、リゾートホテル15.5%、付加価値額でビジネスホテル438円、シティホテル420円、リゾートホテル369円という結果でした。
⑻「自身と同じ価値観を有する客層」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル24.5%、シティホテル16%、リゾートホテル17.5%、付加価値額でビジネスホテル426円、シティホテル359円、リゾートホテル428円という結果でした。
⑼「夜間仕事ができるビジネスセンター」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル16.5%、シティホテル9.5%、リゾートホテル7.5%、付加価値額でビジネスホテル432円、シティホテル433円、リゾートホテル382円という結果でした。
⑽「ホテルコンセプトに合致した客室内備え付け雑誌」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル22.5%、シティホテル14%、リゾートホテル13.5%、付加価値額でビジネスホテル367円、シティホテル306円、リゾートホテル374円という結果でした。
⑾「ホテルコンセプトに合致した音楽(CD等)の備え付け」がある場合に、付加価値としていくら程を連想するかを調べてみた場合、大変重視する人+やや重視する人の合計割合で、ビジネスホテル17%、シティホテル13%、リゾートホテル14.5%、付加価値額でビジネスホテル309円、シティホテル394円、リゾートホテル426円という結果でした。
例えば上記、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテル別の付加価値額を集計しますと、ビジネスホテルの合計付加価値額で4520円、重視する人の平均割合で35.6%、シティホテルの合計付加価値額で4526円、重視する人の平均割合で26.9%、リゾートホテルの合計付加価値額で4737円、重視する人の平均割合で28.3%という結果でした。
また、別の調査で、ビジネスホテルに関する「コンシェルジュサービス」の同上付加価値額(全国男女1000名に対するインターネットアンケート調査)で199円、「ミネラルウオーター・コーヒー等のドリンクサービス」で124円、「各種新聞・雑誌が取りそろえられたロビー」で133円という結果も見られました。
上記を総じて、例え一個人であっても、そのパーソナリティーには深い多様性が秘められており、簡易に顧客ニーズを定義する、あるいはターゲット顧客を定義してしまいますと、顧客視点に沿ったサービスが不十分となってしまう可能性があります。上記の通り、「クラブラウンジ」には、さまざまなサービスを複合的に組み合わせることが可能であり、ある程度顧客層やターゲット顧客を明確化するとしても、その中で見られるターゲット顧客ニーズの「ゆらぎ」を吸収するスペースとして機能することが期待できるのです。
第283回
北村剛史 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 〜ホテルのシステム思考〜
第283回『多様化する顧客とクラブラウンジの存在意義
【月刊HOTERES 2017年10月号】
2017年10月20日(金)