趣旨に賛同した全国、世界のバーテンダーが集結
岐阜を舞台にカクテルをメインコンテンツとしたイベント「Cocktail ReCreation」が6 月11 日、岐阜都ホテルを会場に開催された。
このイベントは、カクテルを娯楽や癒しとして楽しむレクリエーションと、現代カクテルとカクテルパーティーのスタイルの再創造を意味し、岐阜のバー「BAROSSA cocktailier」を経営する中垣繁幸氏を実行委員長として企画されたもの。趣旨に賛同した全国のトップバーテンダーやミクソロジスト、米国や中国、シンガポールや台湾、ドイツなど海外で活躍するトッププレーヤーがゲストバーテンダーとして参加。ブースにはそれぞれのカクテルを求めて来場者が列をなした。
また、来場者と特別審査員で選出する、オープンスタイルによる初めてのノンアルコールカクテル「Mocktail」(モクテル)のコンペティションが行なわれた。ここにも、今年の3 月のPBO(プロフェッショナル・バーテンダーズ機構)全国大会優勝者の今田俊則氏(BAR Stella)や、テキーラ「クレルボ」世界大会チャンピオンの江刺幸治氏(SPIRITS BAR Sunface)、「BOLS」世界大会出場の渡邉由希子さん(ザ・プリンス パークタワー東京)、ロンドンのトップバーでヘッドバーテンダーを務めた野村空人氏(FuglenTokyo)など実力者が顔をそろえた。おのおの個性的なモクテルを提供し、酒ではない魅力ある飲料に来場者も心引かれ、気に入った作品に投票した。このコンペティションの優勝者は、「WORLD CLASS」世界大会で部門優勝、国内大会でも複数優勝している鎌田真理さん(ザ・ペニンシュラ東京)。鎌田さんは、「このモクテルに使用したブドウジュースはワイン用のブドウ品種が使われたもの。普段お酒を召し上がらない方も、お酒を飲んでいる感覚になれるようなイメージで創作しました」と語った。
岐阜をカクテル・ツーリズムの
デスティネーションに
料理も会場となった岐阜都ホテルのほか、多田昌豊氏(BON DABON)による生ハムや梶田泉さんのチーズ、岡本豊氏(ルージュ ロワイヤル)によるパンや森兼ともみさんによるジェラートなど、岐阜や中垣氏にゆかりのある食のスペシャリストたちのプレゼンテーションが光った。また、日本のアンビエント・エレクトロニカを代表する女性アーティストのcokiyu さんの透明感のあるウィスパーボイスが会場に温かみと清らかさをもたらした。
バーテンダー歴30 年、自らが経営する店舗が20周年を迎えた中垣氏は、
「岐阜で育ち、岐阜でバーテンダーとして腕を磨いてきた。周年イベントの開催をという要望に応える形で企画したこのイベントに、これほどにまで賛同してくれる人が集まり、岐阜でこのようなイベントとして開催できたことをうれしく思う」と語った。
また、イベントの冒頭には古田肇岐阜県知事が来場。「清流の都、岐阜がこれからカクテルの聖地として、カクテル・ツーリズムの目的地として、皆さんに愛されることを祈っている」とあいさつした。
岐阜の地からカクテルとその楽しみが再創造され、カクテルでさらに縁が深まった「Cocktail Re Creation」。食や日本酒、ワインとともに、カクテルによる地方創生も、確実に全国に広がっている。