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第260 回 北村剛史  新しい視点 「ホテルの価値」向上理論  第260 回『ホテルの客室料金と旅館の客室料金格差』

第260 回『ホテルの客室料金と旅館の客室料金格差』

【月刊HOTERES 2017年04月号】
2017年04月14日(金)
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 上記ホテルのスターカテゴリー定義を示した上で、顧客が心理的に感じ取る需要者価格について調査を行ないました(全国男女200 名インターネットアンケート調査、2017 年実施)。※設問例:リミテッドサービスあるいはエコノミークラスと言われる基準(1 スター)があり、おおむね清潔感、居住性を確保しており安心して宿泊できます。その客室面積を10㎡台とした場合に一般的に通常納得感があろうと考えられる客室料金を選択してください(朝夕食なし)。
 
 旅館に関するスターカテゴリー定義については、下記の通り、ホテルのスターカテゴリー定義と整合性を持たせたものを採用しています。

 
 調査の結果、ホテルに対するスターカテゴリー別客室料金と旅館に対するスターカテゴリー別客室料金とはおおむね同水準であること、また回答の分散もおおむね酷似しているという結果でした(本調査は、ホテルに対する調査対象者と旅館に対する調査対象者を分けて行なっています)。
 
 ホテル、旅館それぞれスターカテゴリー別客室料金の平均値をまとめますと、以下の通りとなります。
 
 
 1 スターのホテルが7930 円/室、旅館が8555 円/室(対ホテルで約+ 7.88%)、2 スターではホテルが9995円/室であり、旅館が1 万170 円/室(対ホテルで約+1.75%)、3 スターのホテルが1 万2645 円/室であり、旅館が1 万2940 円/室(対ホテルで約+ 2.33%)、4 スターのホテルが1 万5660 円/室であり、旅館が1 万6010 円/室(対ホテルで約+ 2.23%)、5 スターのホテルが1 万9370 円/室であり、旅館が2 万860 円/室(対ホテルで約+ 7.69%)という結果でした(平均して旅館が約+ 4.4%高いという結果でした)。
 
 また、別の調査で、ホテルの価格調査を行なった際に、ビジネス目的の場合と観光目的の場合で客室料金格差がどれ程異なるかを調査したことがありました。その際、観光目的の場合の方が需要者価格で総じて約+ 3.3%高い傾向があるという結果を得ています。つまり、上記ホテルの場合のスターカテゴリー別客室料金と旅館の場合の同料金の格差である+ 4.4%は、ほぼこのビジネス目的と観光目的という視点からも整理することができます。
 
 ホテルと旅館のスターカテゴリー定義に整合性が取れている場合には、ホテルと旅館は完全に別のものというより、顧客にとっては、類似した機能を提供しているものであり、双方の客室料金についてもおおむね両者間で比較可能な類型であることがうかがえます。

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