大住 力(おおすみ・りき)
ソコリキ教育研究所 所長
公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表
東京ディズニーランドなどを管理・運営する㈱オリエンタルランドで約20 年間、人材教育やプロジェクトの立ち上げ、運営、マネジメントに携わる。退社後、「ソコリキ教育研究所」(研修・講演・コンサルティング)を設立し、前職での経験を生かして、人材育成プログラムを企業などに展開している
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※毎週1 週号掲載
■ Case Study19
新人を迎える組織が行なうこと・SCSE
私が育ったディズニーの世界では、その運営行動指針に“SCSE” という四つのキーワードがありました。S =Safety(安全・安心)、C = Courtesy(丁寧さ)、S = Show(ショーマンシップ)、E = Efficiency(機能・効率性)の四つを常に念頭に入れ、サービスに務めない、というものでした。
今回、新人を迎える組織が行なうこととして、同様に“SCSE” でまとめてみました。まずは“Standard =標準作業の徹底” です。優先順位的にも、これが一番重要だと思います。まず、各組織において、いわゆる“ 常識・ふつう・当たり前” という作業結果や手法を取りまとめ、それを徹底して体得してもらうことです。よく職場において、新人がミスをすると、先輩が“ おい、そうじゃなくて、こういうのが当たり前でしょう。常識でしょう” と文句を吐く場面を目にします。しかし、それは決して“ 当たり前” でもなく“ 常識” でもないのです。それはただ先輩個人の当たり前、なのであって、他の人、ましてや新人にとっては、何でもないことなのです。まず、組織という集合体は、いわば、個々人があるミッションを目的に集まっただけのものであって、個々人の一人一人は、皆、“ 常識” が異なるのです。その各人が集まってできた集合体が組織であるのですから、何よりもまずすべきことは、職場において“ みんなの常識” を作ることです。