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Vol.3 2017年1月6・13日号新年号 特集Ⅱ 私が後継者に求める資質 Vol.3 価値開発㈱  代表取締役社長  高倉 茂 氏

直接の会話と貞観政要

【月刊HOTERES 2017年03月号】
2017年01月06日(金)
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価値開発㈱  代表取締役社長  高倉 茂 氏

 
 弊社は2020 年までに三つの目標を掲げています。
①東証1部上場(現在東証2 部上場)
②ホテル関係施設30 店舗(現在18 店舗)
③復配(現在、無配当)
 そして会社・全社員のモットーとしている言葉は“ 直接の会話” です。
 インターネット・スマートフォン・SNS の驚異的なスピードでの進化に伴い、どこにいても相手とのコミュニケーションは瞬時に可能になりました。しかしこれらの手段だけでは、社員の微妙な心の変化・心の動きを的確に読み取るには限界があります。
 
 直接の会話とは、相手の表情・目の動き・声の抑揚・動作などから、社員が今抱えている問題・悩みを事前につかみ取り、彼らに問題解決・改善の的確なアドバイスをすることです。
 
 弊社本社社員全員、一般社員から社長までワンフロアの仕切り・壁なしのオフィスにデスクを構えています。つまり総務・人事・財務・経理・営業・マーケティング・内部監査・役員全スタッフがフェイストゥーフェイス・直接の会話がいつでもできる環境にいるわけです。全国17 施設(海外1 店舗)のキーマンたちとは週一度のTV 会議でコミュニケーション(直接の会話)をとっています。また本社役員の業務の一つに18 施設への定期現場訪問があります。TV を通してだけでなく定期的に直接の会話を持つことで本社と現場の垣根がとれ有効なコミュニケーションにより現場と本社の目標・考え方が一体化されるわけです。
 
 全社員共通のこの3 大目標のほかに、全社員には個人個人で短期・中期・長期の目標と夢を持つように言っています。目標の内容は、自分自身の目標・夢、家族の目標・夢、小さな目先の目標、大きな現実的でない目標・ダイナミックな夢、何でも構わないわけです。ただ皆に言っているのは、設定した目標が設定期限内での達成が難しくなっても決してあきらめないこと、目標サイズを小さくしないこと、夢を小さくしないこと、期限を再設定してダイナミックな夢・目標にチャレンジし続けることです。
 
 直接の会話の大きな目的の一つに、スタッフをイエスマンではなく、上司にもはっきり自分の意見を言えるスタッフを育てていくことです。そのためにも役員たちは部下が自由に物を言える環境づくりをせねばなりません。スタッフたちも上司に自分の意見をしっかり武装して臨むようになります。上司も部下の意見がたとえ上司とは反対意見でもそれを公平に分析・判断し論理的であれば、それを受け入れる寛容さが必要です。
 
 私の座右の銘は“貞観政要” です。西暦636 年の唐の太宗の言行録で徳川家康も政治のテキストにしていたそうです。トップとしての心構えが書かれてあり、私自身も事あるごとに読み返し行動の指針としています。
 
①安泰時・好調時の危機管理
②率先垂範・自己統制
③部下の諫言(かんげん)に耳を傾ける
④謙虚さ・慎重な発言
 
 自ら行動を起こし常に危機感を持ち部下の諫言にも耳を傾け大きな目標・ダイナミックな夢を部下が持てる環境を作り、謙虚さを持ち続けるトップを育てたいと願っています。
 
価値開発㈱
http://www.kachikaihatsu.co.jp/

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