拡大するWORLD CLASS コミュニティ
キリン・ディアジオ㈱は2月2日〜2月17日にかけて、ディアジオ社によるバーテンダー世界大会「WORLD CLASS」の日本大会に向けた事前セミナー「THE WORLD CLASS EXPEPIENCE」を全国で13回にわたって開催した。この大会では日本から過去に2人の世界チャンピオンが生まれており、昨年も大阪市のBar, Kの藤井隆氏が準優勝に輝いている。競技内容も多岐にわたり、世界で最も難易度の高い大会の一つだ。
今年のセミナーは藤井氏や2015年大会の世界チャンピオンである奈良、LAMP BARの金子道人氏、2011年の世界チャンピオンでパレスホテル東京の大竹学氏、2013年大会世界3位で奈良ホテルの宮﨑剛志氏を講師に、2月2日の福岡を皮切りに、広島、東京、横浜、名古屋、大阪、札幌の7カ所で行なわれた。
7日に東京で行なわれたセミナーの冒頭では、日本大会の運営責任者でグローバルブランドアンバサダーを務めるキリン・ディアジオの中村孝一氏がこの大会が目指してきたことについて「更なるバーのレベル向上」「お客さまに感動を届けること」として解説。また「World Class Experience」を構成する3つの要素を「Great Cocktail」「Great Service」「Great Time」として、今後の更なるバーテンダーコミュニティの拡大、そしてこれらへの「WORLD CLASS コミュニティ」による支援について語った。
続いてこの日登壇した藤井氏、大竹氏によるプレゼンテーションでは、自らの世界大会での体験を語るとともに、商品やホスピタリティ、テクニックに関する国際的なムーブメントを伝達。藤井氏は昨年大会でのカクテルを披露し、参加者とその味覚を共有した。
店舗の付加価値が高まる配布資料
さらに、この大会の対象ブランドである「ドン・フリオ レポサド」「ケテルワン」「ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ」のテイスティングでは、それぞれの香りや味わいといったテクニカルな考察に加え、これらのアイテムからイメージしうるシーンやブランドストー リーにおける重要添など、エモーショナルな面にも言及するなど、多面的な感性の必要性を体験する時間が設けられた。
この日配布された資料も貴重 なものばかりだ。世界大会で藤井氏が披露したカクテルの詳細なレシピはもちろんのこと、ハイビスカスウォーターやレモングラスコーディアル、オルジェート (アーモンドシロップ)といった自家製素材についても深く言及した。また、『COCKTAILS AT HOME』と題した冊子は、グローバルトレンドの下地となっているクラシックカクテルについて、世界大会で活躍したバーテンダーたち独自の見解やおのおの のレシピが掲載されたWORLD CLASS公式のガイドブックだ。
第9回世界王者は8月にメキシコで決定
このWORLD CLASSの2017年大会は3月16日を締め切りに募集が行なわれ、同月末に一次審査通過者が発表される。5月8日、9日の大阪、11日、12日の東京で二次の実技審査が行なわれ、6月24日、25日に東京でジャパンファイナルを開催し、日本代表1名を選出する。世界大会は今秋、8月20日~25日メキシコシティで開催することが発表された。
今年で9回目を迎えるWORLD CLASS。そのセミナーは出場へのエントリーゲートとしての機能に加え、今日からでも取り入れられる“世界標準”のエッセンスが多様に盛り込まれていた。
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