北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI( 米国不動産鑑定士 )
MRICS(英国王室認定チャータードサーベイヤーズ)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事
ホテルは所有、経営、運営というステークホルダー機能を背景に有し、ハードウエア、ソフトウエア、ヒューマンウエアの3 要素が混然一体となりつつサービスを提供しています。個人客をターゲットとする場合においては特に、個々の顧客をリピーター化する、あるいは新規顧客を獲得する上で、所有機能については「価値査定の視点」、経営機能については「価値増殖の視点」、運営機能については「顧客視点」からホテルをとらえる「価値に関する三つの視点」およびそれら共通項としての「価値」が重要な役割を担う環境にあると言えます。
それら三つの視点を整理すると右記図の通りとなります。一つ目は、ホテルの不動産としての価値に着目し、長期的事業スパンの中でホテルの提供する価値を見据える視点です。二つ目は、ホテルが提供する顧客にとっての利用価値を最大化させるために、ホテルが有するさまざまな関係性を情報のフィードバックとフィードフォワード(予測)を通じて結び付け、提供される製品やサービスの価値、ひいては事業価値を増殖し続けようとするマクロ的ネットワーク性からホテルを見つめる視点です。そして三つ目に、ミクロ的に顧客にとっての価値とは何かを真摯に見つめる顧客視点となります。