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013 岡村衡一郎  サービス・イノベーション48手 ~現場と本部が一体で進めるイノベーション~

013 ing の法則

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月16日(金)
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岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。㈱船井総合研究所を経て、2004 年㈱スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など

 あるホテルチェーンで朝食メニューコンテストが開催されていた。広告代理店が作成したパンフレットやポスターに各所の嗜好を凝らした品々が打ち出される。このホテルにとって初の取り組みになるだろうイベントに私は不安を覚えた、きれいにまとまりすぎているからである。もう一回やろうとすれば、写真もビラも打ち出しも更新する時間と手間暇がかかりそうだ。
 
 自然食レストランでの新メニューの告知はシンプルそのものだ。商品を主役につくった人の思いが、手書きメニューと黒板で打ち出されている。おいしさを届けるために旬の設定が細かく分けられる。メニューコンテストで一定量以上の投票が集まったものが順次、全店メニューに反映される。更新頻度は週1 回だ。
 
 コンテストを受けメニューを変更するという流れは、先ほどのホテルチェーンも自然食レストランも一緒。違いは後者はやり続けることを前提にした仕組み、更新の手間暇を最小限に取り組んでいる点である。最良のメニューは、完成するものでなく追いかけるテーマという位置にあるからだ。

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