ホスピタリティ ツーリズム専門学校 校長 中村 裕 氏
2000 号発行記念のお祝いの時にも書きましたが、私とオータパブリケイションズの出会いは古く、1963年からです。まさに外資系ホテル第一号 東京ヒルトンホテル開業の時です。週刊ホテルレストランとのお付き合いは、前身である宿泊外国人向けホテルインルームマガジン「This Week in TOKYO」の購読からです。
小生はヒルトンに25 年在籍いたしましたが、その間太田土之助氏には親しくお付き合いいただき、ヒルトンの経営手法や運営手法等、誌面に紹介していただき、たびたびインタビューもしていただいたことを鮮明に記憶しております。そして1988 年三菱地所に入社しロイヤルパークホテルを立ち上げるにあたり、対談を通し新しいホテルのコンセプトやマーケティング活動を誌面で紹介して応援していただき、感謝しております。
太田土之助氏は太陽を愛し南国やアウトドアのプールサイドを好み、健康的な日焼けを常に保ち自慢もし、そのプールサイドで読書をしていた姿は印象的でした。ホテレスで書き始めた「FROM THE PUBLISHER」の助言は、歯に衣を着せぬ業界の現状を把握し苦言を呈し、発展に尽力され、書かれたコラムは今でも実行すべきアドバイスがいくつもあります。現社長太田進氏がtake overしてからは特に若者に焦点を合わせ、新たな業界の発展を目指し、ニューベンチャーをはじめ業界の再編等を提唱し、業界の発展の後押しをしていただいております。
つい先日、安倍政権は新たな観光ビジョンを発表しました。まず、訪日外国人数を2020 年までに4000 万人、2030 年までに6000 万人。なんと当初の倍の人数を目標に掲げました。2003 年小泉元総理が観光立国宣言した年の500 万人から見ると2015 年は、10 年ちょっとで4 倍の訪日外国人旅行者数を達成し、そのまた5 年後に倍増、そして15 年後には3 倍にする計画は、われわれ関係者にとっては嬉しいことでもあり、また受け入れ達成に向け大変な努力を必要とされます。
このような状況は、特に大都市における宿泊施設不足が顕著となり、ホテル建設のみならず旅館の活性化あるいは、民泊等がささやかれるなど、思い切った方策をとる時期にきているように思えます。こんな時、ホテレスのさまざまな取り組みは1 つの大きな指針にもなり、現状の打開そして今後のホテル、レストランの発展に寄与していただけると確信します。
宿泊施設不足と共に、われわれが直面している問題が人材不足です。ホテレスでは、早くから人材育成を提唱しています。少子高齢化問題を抱える日本において人材確保と育成は、今や一番切実な問題かもしれません。ホテレス誌のさらなる協力が必要となります。
小生が2005 年㈳日本ホテル協会の会長を拝名期間中、日本ホテル協会が100 周年を迎え、100 周年記念誌を発行することになりました。100 年に渡るホテルの歴史をまとめることは、容易なことではありませんでした。オータパブリケイションズに編集のお手伝いをお願いし、100 周年記念誌は見事に完成いたしました。
書籍出版に関しても積極的で、小生も2014 年にロイヤルパークホテルの生い立ちを綴った「理想のホテルを追い求めて」と題する一冊の書籍を出版していただきました。業界の発展に役立つさまざまな書籍を出版し業界人の育成の一助になっています。
創刊50 周年を迎え心よりお祝い申し上げるとともに、今後とも業界のリーダーとして業界の発展のため、後押ししていただけることを切に願って筆をおきます。
ホスピタリティ ツーリズム専門学校
http://www.trajal.jp/