世界遺産のリドー運河から望む、フランスのシャトーを彷彿させる華麗な「Fairmont Château Laurier」。後にカナダ国鉄に吸収される「Grand Trunk Railway」のオタワ・ユニオン駅のホテルとして1912 年に建設された
Fairmont Château Laurier のホテル名が誇らしげに掲げられた正面ファサード
シャトーローリエの正面エントランス
2 階回廊から俯瞰したエントランスホール。シャトーローリエはオタワを代表する迎賓館の役割を担う
カナダの首都オタワの中心部、ネオゴシック様式の国会議事堂と世界遺産のリドー運河を挟んで、フランスのシャトーを彷彿させる華麗なホテルが建っている。ホテルの名は「Château Laurier」。後にカナダ国鉄(CN)に吸収される「Grand Trunk Railway」のオタワ・ユニオン駅のホテルとして1912 年に建設された。ホテル名の“Laurier” は、フランス系として初のカナダ首相になるWilfrid Laurier 卿の名前にちなんでいる。建物は1981 年にカナダの歴史的建造物に指定され、99 年にはフェアモントグループ傘下に入り「Fairmont Château Laurier」の名称となっている。
オタワの名は“ 交易” を意味する先住民の言葉で、ヨーロッパ人の毛皮商人の交易所であった。街はリドー運河の建設を境に発展し、1855 年にはオタワは市に昇格。2 年後の57 年、英国ビクトリア女王の裁定でオタワが英国領カナダの首都となる。当時カナダは、英国系アッパーカナダ(現オンタリオ州)とフランス系ロワーカナダ(現ケベック州)の勢力争いがあった。オタワは、その勢力から中立的な土地であり、軍事的脅威であったアメリカ国境に近すぎず英国系とフランス系の境目という、まさに絶妙なロケーション。両文化の架け橋にふさわしい場所であった。
クラシカルな館内ロビー周りは重厚な雰囲気に満ち、後方にはチャーチル英首相など多くの著名人の写真が飾られている
ローリエ夫人の名を冠した「Zoé's Lounge」の前に用意されたライブラリーラウンジ
2 階回廊に通じる優美なステアケース
シャトーローリエのエレベーターホール