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第 97 回 おもてなしの達人 鈴木 忠美 次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成

第 97 回「時代で変化するもの」

【月刊HOTERES 2016年07月号】
2016年07月01日(金)
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鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

お客さま目線で分かったこと
 お客さまの親切な行為には素直に甘えるべしとは、自分がホテルを辞めて初めて見えてきたことである。というのは過日あるホテルにお客さまと一緒にランチを食べに行ったときのこと。食事を終えてエレベーターで1 階まで降りると、エレベーターの前には同ホテルのフロントマンが、ワゴンに荷物をたくさん積んで立っていたので、私は降りてからすぐそのホテルマンがスムーズにエレベーター内に入れるようにと、親切心でボタンを押したまま、閉まらないように押さえていますからどうぞと声をかけて上げると、返ってきた言葉は「あっ、いいですよ」だった。確かに私たちは今まで先輩や上司からそう答えるように教わってきたし、またそれに対してなんの疑問も持たずに後輩に受け継いできたが、自分がホテルを辞め逆の立場になったとき、果たしてそれが本当に正しかったのか、葛藤させられることが多々ある。その一つがお客さまの親切は素直に甘えるべしである。世の中には困っている人をみて何も感じない人もいれば、当たり前のごとく手を差し伸べてくれる人も必ずいるものだ。そんなときはせっかくのお客さまの心遣いを無にしないためにも満面の笑みで「ありがとうございます」と素直に言ったほうがお客さまは喜ぶのである。

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