ポイント②『内部顧客の安全衛生活動に対するモチベーションを改善する』これは、内部顧客に人生設計と相互理解に取り組ませ、自分の生き方、働き方の見える化により実現します。具体的には、上級階層の管理職から監督職、一般職の順番で「キャリアデザイン教育」「ワーク・ライフ・バランス教育」「ホスピタリティ教育」を実施します。内部顧客が安全衛生活動とは自分の夢や目標を叶えるために必要不可欠な取り組みであると理解するためには「キャリアデザイン教育」が効果的なのです。夢や目標が明確になり、叶えたい気持ちが強くなれば、仕事と私生活の調和を求めるようになりますので、「ワーク・ライフ・バランス教育」が必要になります。ワーク・ライフ・バランスの推進が我儘な行為とならないために、それが、わがままな行為の推進となぬよう、ルールやマナーの順守と相手本位の言動行動が求められるので「ホスピタリティ教育」が重要になる訳です。
ポイント③『内部顧客の労働関連法制度や雇用契約に対する理解を向上する』これは、すべての内部顧客に労働関連法制度や雇用契約に関する基礎知識を身に付けさせることにより実現します。具体的には、ポイント②と同様の階層別に「コンプライアンス研修」を実施します。その理由は、ビジネスや業務遂行において必要なカテゴリ、例えば、ホテルレストラン業界では「旅館業法」「風俗営業法」「個人情報保護法」「食品衛生法」等の研修や講習会などを開講していますが、「労働基準法」「労働安全衛生法」「労働安全衛生規則」「労働契約法」「労働者派遣法」「男女雇用機会均等法」「若者雇用促進法」「女性活躍推進法」などをあまり耳にしません。能力や専門知識や資格を有していても、コンプライアンス違反があれば仕事をする権利は与えられませんし、知識の有無で違反が生じるものです。雇用契約についても同様です。36協定や就業規則、社内規定を理解しないで出勤している内部顧客はかなり高く、私の経験値では、中間管理職層を対象に「就業規則の服務規律と制裁に記されている内容を列挙できる」のは数%。この状態では優良企業認定を目指すことなど到底できないでしょう。
ポイント④『内部顧客の社会人、企業人の基礎力を向上する』これは、社会人基礎力と企業人基礎力を向上させることにより実現します。これもポイント②③と同様に階層別教育を展開します。「社会人基礎力養成研修」と「企業人基礎力養成研修」を教育制度に盛り込んで実施するのです。実は、上級階層ほど社会人基礎力が不足している傾向が高いからこそ、すべての階層を対象とした教育訓練が必要になるのです。
ちなみに、社会人基礎力とは、経済産業省が平成18 年に定義を示した<3 つの能力/ 12 の能力要素>を指しています。優良企業認定制度で認定されるのは、もちろん「法人」なのですが、それは「個人:内部顧客」が一致団結し首尾一貫して安全衛生活動を推進した成果が評価された結果です。法人は「法の人として=法令順守と適切な労務管理を遂行しているか?」、個人=内部顧客は「個の人として=社会人基礎力を発揮して仕事をしているか?」を問われ、「はい」と回答した証なのです。
ポイント⑤『内部顧客&外部顧客を獲得する戦略戦術を充実させる』これは、採用と営業の活動において、安全衛生の優良企業認定取得の有効活用により実現します。具体的には、採用戦略では内部顧客候補や学校のキャリアセンター、就職課などを主な対象に「本気・本音を出せる、働きやすい職場環境づくりと活躍できる社会人づくりのプロジェクトを推進! 成果、厚労省認定の安全衛生優良企業認定を取得している」ことを発信。営業戦略では、外部顧客およびその候補を主な対象に「お客さまに納得・満足・感動を得ていただくためにも、従業員のコンディショニングを整える、安全衛生優良企業認定を取得していますと発信します。発信のはSNS を中心としたWeb、FacebookやTwitter により情報を拡散するのです。もちろん、全世界に向けて。
さて、読者のみなさまの、優良企業認定取得に向けたモチベーションは上がったでしょうか? 1 年間お読みいただいたことに深く感謝致します。ありがとうございました。次は、みなさまの声を直接お聞きしたいと思います。当研究所へのお問合せを心よりお待ちしております。