パブリックガーデンから望む「Taj Boston」のツインの建物。“ タージ” の名称となっても、リッツ・カールトンの記念すべき第1 号ホテルとしての格式と誇りを真摯に受け継いでいる

愛想のよいドアマンに迎えられるタージ ボストンの正面エントランス

美術品やアンティークで飾られた格調高いエントランスホール。エレガントなステアケースが華を添える

「Taj Boston」、リッツ・カールトン時代の優雅さを大切に守り抜いたボストンのランドマークホテルである。1920 年代、ボストン市長から“ 街を代表するホテル” の依頼を受けた地元の大富豪、E・ワイナ―が1927 年にリッツ・カールトンの名称使用権を獲得し「The Ritz-Carlton Boston」として誕生したのが始まりである。ホテルは大規模な改修を経て2007 年にインド資本の「The Taj Hotels Resortsand Palaces」に買収され、現在の「Taj Boston」に呼称変更されている。“ タージ” の名称となっても、緑多きボストンコモンとパブリックガーデンに映える美しき建物は今もボストン市民の誇りである。
 
　タージ・ホテルズはインドのタタ・グループ傘下の企業で、1903 年に「Taj Mahal Palace & Tower」をタタ・グループの創始者であるジャムセットジ・N・タタがムンバイで開業したことに始まる。現在タージ・ホテルズは、米国では3軒の高級ホテルを展開している。一方で、リッツ・カールトンはボストンの全面改修で一時閉鎖されたのを機に、新たに2001 年「The Ritz-Carlton Boston Common」をボストンコモン側に開業させている。巨費を投じた大改修を終え、老舗のホテル建物は盛大に創業75 周年記念を祝った後、07 年にタージ ボストンに引き継がれた。

レセプションの前にデスクを構えるフレンドリーなコンシェルジュ

「Luxury Park View one-bedroom Suite」のリビングルーム。約65㎡の広さを持つコーナースイートで、暖炉のあるリビングからは緑多きボストンコモンとパブリックガーデンを望める

落ち着いた雰囲気の独立したベッドルーム

クラシカルなツインシンクを備えたバスルーム