鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。
サービスの大泥棒を目指す!
人の「物」を盗めば正真正銘の泥棒になるが、私はどこに出かけるにも常にポケットにメモ用紙を忍ばせ、これだと思う良いサービスや感動に値するサービスは、ホテルに限らずあらゆる企業からちゃっかりといただいてきた。と言ってもそっくり真似るのではなく、「真似て学んで俺流に変えていく」。つまり自分のホテルやこの地域にも受け入れられるサービスに、おもてなしをさらにバージョンアップするのである。それは自分のホテルのみならず地域全体のおもてなしアップにつながるからで、特に今年は岩手で完全国体(冬季・秋季)があるということで、地元での講演依頼が昨年から大幅に増えているので、岩手全体のおもてなしは少しずつではあるが確実に良い方向に上向いている。既に1 ~ 2 月に冬季国体を終えたが、それに伴って訪れていたたくさんの選手や応援のお客さまが、岩手の市民とふれあう場所で、たまたま競技を終えた選手が牛丼を食べていたとき、テレビアナウンサーから突然インタビューされ、次のような答え方をしていたのが印象的だった。「肉丼も温かいけど作ってくれた人の気持ちがもっと温かかったです」と。常にこの褒め言葉をいただくためにはリーダーに休んでいる暇はないのである。