「彼を知り己を知れば百戦殆あやうからず」、有名な孫子の兵法の一つである。現代において経営者はコンペティターの動向を把握し、営業マンは営業先の現状把握が必須。時代は変われど、「相手を知る」という本質は変わらない。昨年から引き続き週刊HOTERES は、人脈マッチングスペシャリスト、TOP CONNECT㈱代表取締役 内田雅章氏をファシリテーターに、企業存続のノウハウや秘訣を探るべく、トップ企業経営者との対談を実現。第15 回は、㈱KANSAI COLLECTION 代表取締役会長 中川康之氏に登場いただき話を伺った。
人生を左右するような瞬間を提供する。
KANSAI COLLECION 誕生秘話
内田 ㈱KANSAI COLLECTION の概要と事業内容をお聞かせください。
中川 関西最大のファッションとエンターテイメントイベント「KANSAICOLLECTION」の開催を始め、企業やイベントのWEB 製作を行なう企業です。2014 年からは「いつか、あなたが、誰かのモデルとなるように…」をコンセプトに、今までになかった新しい発想のモデルアカデミーを開校。モデルやタレントを目指す多くの若者たちの支援や、ビジネスパーソンとしての能力開発、習得機会提供を行なっています。ほかにもいろいろと行なっていますが、仕組み作りとシステム化というのも、弊社の得意とする分野です。
内田 KANSAI COLLECTION について、開催のきっかけと現状を伺えますか。
中川 イベントは、今年の2 月28 日で11 回の開催を数えました。今でこそ関西最大級のイベントで、動員数は1日で3 万6000 人ほどになります。企画と運営について、数年来交流のある読者モデルの方に招待していただいた、アパレル系のイベントに参加したことがきっかけです。初めて参加したイベントは、ステージ、衣装、音響や雰囲気すべてが新鮮で、それだけで大きな影響を受けましたが、最も印象に残ったことは、自分の周りにいる17 歳、18 歳くらいの女の子たちの反応でした。熱狂ぶりもさることながら、満面の笑みを浮かべながらステージやモデルに熱い視線を向ける彼女たちを見て「この1 日、この瞬間が、今後の彼女たちの人生にどれだけの影響を与えるのだろうか」と考え、自分でもこんな意義あるイベント、人生を左右するような瞬間を創つくり、世に届けたいと思うようになりました。
内田 どのようにして、その想いを形にしていったのですか。
中川 同様のイベントに東京ガールズコレクションや神戸コレクションがあり、目指すべき姿はすでに存在していました。ただし企画や運営、また周囲のメディアを巻き込むようなノウハウがなかったので、最初はとにかくまねをするところからスタート。その内に、集客や協賛企業獲得手法もなんとなく見えてきました。「どちらも会場の大きさに比例する」と結論付け、初めての開催から関西で一番大きな会場という理由に京セラドームを選びました。ご縁もあり、会場手配には成功したものの、初回はできる限りたくさんの人々にお越しいただくべく、チケット収入を切り捨てることを決断。多くの方に来場いただけましたが、結果として数千万の赤字が残りました。2 回目の開催は本当に悩みましたが、第1 回にかかわっていただいた方々からの支援と、継続による事業の成長を信じ、今日まで来ることができました。今ではきちんとしたビジネスとして、いろいろな方とつながっています。