今回はホテルインスペクション(覆面運営状況調査)が提供している機能をご紹介したいと思います。最初に、経験を積んだ第三者による客観的なサービスチェックを経てサービスレベルの定点観測を行なうことで初めて運営改善に役立てることができることから、その主たる機能とは、正確な情報のフィードバックを通じたサービス改善にあると言えます。その結果を定期的にフィードバックすることを通じて、ホテル運営者側でサービス向上や課題点克服に関する議論をするというものです。二つ目には、各ブランドが固有のブランドコンセプトを有しており、特徴あるサービススタンダードがある場合には、当該個別スタンダードを調査項目に加えることにより、それら社内基準を順守できているかを確認することです。その結果、ブランディングを徹底して実現することをサポートします。また、インスペクションで用いる基準とは、顧客ニーズや顧客目線を取り込んでもいますので、その後の報告時において顧客ニーズに関する情報共有も可能となります。
第212 回
北村剛史 新しい視点 「ホテルの価値」向上理論〜ホテルのシステム思考〜
第212 回『インスペクションのすすめ(インスペクションがホテルに提供する機能)』
【月刊HOTERES 2016年03月号】
2016年03月25日(金)