「うちの会社は勤続10 年以上の社員が何人もいます。よく頑張ってくれています」、先日ある社長さんがうれしそうに話されていました。私の頭の中に、あたたかい雰囲気の会社の様子が浮かんできました。“ 社員もたな卸し”、などど言われることもありますが、何十年も会社のために働ける、というのは決して悪いことではない気がします。逆に、社員がどんどん入れ替わり、長続きしない、その方が問題なのでは? 今回は後者の方に目を向けていきたいと思います。
勤続10 年以上の社員がほとんどいないという会社があります。それぞれの理由があると思います。例えば30 代で独立をうながしている会社もあります。スキルを取得し、独立する社員を応援している社長もいるでしょう。しかし、そんなにうまくいく会社は多くはありません。新入社員が次々辞めるというのはよくある話ですが、会社の主軸となる幹部社員がある日突然辞めるという話を聞くことがあります。周りの方はびっくりされ、なぜ突然辞めたのだろう? と疑問だけが残ります。
幹部社員は、会社に利益を生むノウハウを身につけ、仕事のポリシーもあり、会社へのロイヤリティも高いはずです。会社の方針に対して案を出し、実行部隊に対して指示を出す。ときには社長と意見が食いちがい、ディスカッションになることもあるでしょう。そんな社員がある日突然やる気をなくす原因な何でしょう? 実はこういった事例のほとんどが社長に原因があります。このような社長は、スキルを持った社員、自分の大切な右腕とも言える社員を受け入れ、さらなる成長を見守り、育てることができないのです。それだけの器がないのです。
連 載49
桃井文子のオーナー社長のための辛口道場
連 載49 社長、 あなたの会社、10 年選手居ますか?
【月刊HOTERES 2016年02月号】
2016年02月26日(金)