多摩川沿いに住んでいる友人がいた。一級建築士でこよなく酒を愛し、友人たちを呼んでは盛り上がるのがお決まりのコースであった。そして宴の最後は決まって河原に出た。火をおこし、車座になってなんとなく話をしながら、ゆったりとした時間を過ごした。時々薪まきを追加したり、火の加減を調整したりしながら揺れる炎を見る。揺れる炎はなんとも不思議。酔いもまわりぼんやりと眺める炎はいつまで見ていてもあきない。
その友人も和歌山のふるさとに帰り、炎を囲むことはなくなったが、いつまでも懐かしい青春の思い出である。
揺れる炎と言えば、すぐ思いおこされるのが西洋の暖炉。ロッキングチェアに揺られながら編み物をしているようすが映画の中にたまに出てくる。背景の暖炉は豊かさの象徴のような感じがする。
本誌 松沢良治 ニュースな話&人物クローズアップ
暖炉で温かさを演出
【月刊HOTERES 2016年02月号】
2016年02月19日(金)