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Vol. 5 「器」使いがきらりと光る店 Vol. 5 「KAN」

看板はスタッフの「漢(おとこ)気」! 男女を問わず熱烈に支持されるカウンター和食

【月刊HOTERES 2016年02月号】
2016年02月12日(金)
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馬刺しやかますをあぶったお造りなど、いかにも酒好きの心を揺さぶるラインアップ。しょうゆは熊本から取り寄せているそうだ

東京目黒区から品川区を流れる目黒川。桜の名所としても有名なこの川の傍らにひっそりとたたずむ「KAN」。池尻大橋と中目黒の中間、駅前の喧騒から離れた静かなこの場所で、毎夜「漢気」あふれる熱のこもった和食を提供している人気店だ。


席はカウンターのみだが、ゆとりある配置で居心地の良さを演出

KAN
〒151-0064
東京都目黒区東山2-1-1
オリエンタル東山第5 1F
TEL/FAX 03-3792-5282
営業時間
18:00 ~ 24:00
(L.O. フード23:00 / ドリンク23:30)
定休日 第3 日曜日(繁忙期を除く)
総席数 24 席

派手な装飾はおろか、看板すら掲げない「潔さ」
 
東京の桜の名所として全国的にも有名な目黒川。その目黒川が、それまでの地下の暗い流れから解放され、明るい太陽の下に姿を現すのが池尻大橋。中目黒から目黒あたりまでの川沿いには、さまざまな店が立ち並ぶ人気のスポットとなっており、その起点となっているのが「KAN」が店を構える目黒区東山地区だ。人気のスポットとはいえ、にぎやかなエリアから少々離れた場所にある同店は、1997 年にこの地に開店して以来、舌の肥えた酒呑みの心をとらえて離さず、今や予約の取れない店として、地域随一の人気店となっている。
 
「この地に店をオープンして18 年目となります。カウンターでシンプルに和食とお酒を楽しんでいただくスタイルが定着して、地元の方々を中心に多くのご支持をいただいています」と語るのは、同店で料理長として腕を振るっている向佐隆平氏。
 
「漢(おとこ)の潔さ」をコンセプトにした同店は、入り口からまっすぐに席が並ぶカウンターと、奥に入った場所にコの字型のカウンターをそれぞれ配置したシンプルな構成で、余計な装飾はほとんど存在しない。それどころか、お店の顔とも言うべき看板すら存在しない。アパレル関係の路面店やヘアサロンのようにガラス張りとなって、中がうかがえるようになっている店先にあるのは大きく重厚な鉄製の扉と、それを照らす明かりだけ。しかし、夜になり店内に明かりがともるようになれば、店内の熱気とともにここに店があることを雄弁に語り出すといった仕組みだ。
 
「はじめて来店されるお客さまは一度通り過ぎてしまうことも多いそうです。看板すら出さないくらいの『潔さ』を店頭から表現しています。さしずめ、明かりのともる扉の取手部分が看板替わりといったところでしょうか」と向佐氏は笑う。「『潔さ』を追究した店内はカウンターのみですが、広めにスペースを取っているので、窮屈な感じもなく、落ち着いた雰囲気で過ごしていただけると思います。また、全席カウンターということで、2 名さまでご利用いただくケースが多く、大人の男女が落ち着いた雰囲気で食事とお酒を楽しむといったシーンをよくお見かけします」

KAN 料理長 向佐隆平氏
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