会津本郷焼の器に盛り付けられた料理は独特の色彩感を放つ。イタリア産の小麦粉カプート100%使用したピッツァは、耳(コルニチョーネ)までおいしい
下北沢駅の北口を降り、立ち並ぶいかにも今の下北沢を象徴する店舗を横目に、ひたすら北上すると、下北沢一番街商店街の通りに行き当たる。住宅街と商店街の境目にあたるこの通りの一角で、気軽に本格ナポリピッツァを楽しめるピッツェリア&トラットリアが「pizzalina(ピッツァリーナ)」だ。
落ち着いた感じの店内は、カウンターもあり、一人でも気軽に立ち寄れる
ピザ /イタリアン
「pizzalina(ピッツァリーナ)」
〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-30-3 下北沢シャモット1 階
TEL 03-6407-0344
営業時間= ランチ 11:30 ~ 15:00(L.O.14:00)、ディナー 18:00 ~ 24:00(L.O.23:00)、土・日・祝日 12:00 ~ 24:00(L.O.23:00)
定休日=月曜日(祝日の場合は営業)
総席数= 28 席
オープン= 2012 年11 月
運営=㈱シェフズバンク
気軽に立ち寄れる本格派イタリアン
世田谷区下北沢は、駅前を中心にファッションやエンターテインメントなど、独自の文化発信地として若者を中心に人気を集める地域だが、今も多くの商店街を抱え、古くからの商店が残り、地元の人々の生活を支えている。そんな商業と生活が混在する雑多なこの地に店を構えているのが「pizzalia(ピッツァリーナ)」。本格的なイタリア料理を、気軽に楽しめる店として、地元の人々を中心に多くの支持を集めている。
この下北沢という場所を選んだ理由について、同店を経営する( 株) シェフズバンクの代表取締役 社長である桑原大輔氏は、「綿密な事前調査を踏まえた結果、商業立地と住宅立地が混在するこの下北沢にイタリアンをオープンすることに決めました。商業立地の場所にお店を構えると、『流行モノ』というか、一過性な展開となってしまう可能性がどうしても否めません。シェフの育成や社会的な地位向上を目指す当社としては、店舗をより長く継続できる展開をしたいと考えた結果、下北沢で地元を中心に愛される店づくりをすることにしました」と語ってくれた。
現在でこそピッツァのおいしい店として、地元の人々だけでなく、下北沢に遊びに来る人たちにも支持される同店だが、ここに至るまでには多くの試行錯誤を重ねてきたと言う。「ピッツァが食べたくなったから、ふらっと立ち寄るみたいな、使い勝手が良い『普段使いのイタリアン』というコンセプトからスタートして、下北沢という街の特性に合わせて少しずつ変化を加えて5 年目を迎えました。実際にこの地で店舗を運営してみると、人の出が天候に大きく左右されるとか、平日と休日の来店客層の違いなど想定外のことも多く、この街のおかげで、店とスタッフが成長させてもらったと思っています」(桑原氏)。
東北最古の窯場「会津本郷焼」との出会い
同店では、昨年から福島県の会津地方にある東北最古の陶磁器の里、会津本郷焼とイタリアンがコラボするプロジェクトを行なっている。そのきっかけについて桑原氏は「もともとは、運営会社であるシェフズバンクで行なった『食』による地域活性プロジェクトがきっかけで、この地域にある陶磁器の産地、会津本郷焼の里の活性化を手掛けることになりました。『器』と『料理』は切っても切れない間柄ですし、今回のコラボで、両方の価値を高めることができるのではと考えています」とプロジェクトに対する思いを語る。とはいえ、イタリアンで使用する洋食器は、和食器とは機能的にも、使う種類や数も違うものだが、それについて桑原氏は「イタリアンだけど洋食器を使わなきゃいけないというルールはそもそもありません。とはいえ、和食のように皿を手に持って食べるというような使い方は洋食ではしないなどの決定的な違いは存在します。そこで従来の物を使うというより、洋食に合う和食器を作ったらどうかということになり、窯元さんたちと情報交換をしながら進めています」と話す。「例えば、取り皿として窯元さんに作ってもらった器ですが、昨年の物と色も重さもほぼ同じなのですが、今年は深さを浅目に作って平らにし、よりナイフとフォークが使いやすくするなど確実に進化しています。こうした機能的な部分の情報をわれわれが補うことによって、窯元さんの個性を損なわず、洋食に合う和食器を進化させていけるのではないかと考えています。また、料理のプレゼンテーションの面からも、和食器の大皿にオードブル類を盛り付けたときのボリュームや存在感は、洋食器では決して出せないと思います。予想を超えたいい相互作用が生まれていると思います」(桑原氏)。
業態にこだわらない展開で未来を担う人材を育成
「pizzalia(ピッツァリーナ)」では今回の会津本郷焼とのコラボにとどまらず、今後もこういったコラボ企画などを展開していくという。「料理に携わる人材の育成が当社の目的なので、イタリアンという業態にこだわらず、さまざまな取り組みを行なっています。例えば、会津地方のそばと地酒のイベントを開催したりしています。しかもその際、そばをゆでて振る舞うのはうちのシェフ。スタッフは大変だと思いますけど」と桑原氏は笑う。こうした活動が契機となり、実際に2016年の3月から「pizzalia(ピッツァリーナ)」では日本酒がドリンクメニューに加わったという。「とはいえ、居酒屋的な展開にならないよう、料理は徹底的に手作りにこだわって、ピッツァの生地にはナポリのピッツァ独特のモチモチの食感には欠かすことのできないカプートの小麦粉を使用するなど、クオリティーの高さはどこにも負けません」と桑原氏は胸を張る。
現在シェフズバンクで店舗展開を行なっているのはここだけだが、今後は「pizzalia(ピッツァリーナ)」の経営自体をシェフやスタッフに移行して独立してもらい、新たな店舗の展開をもくろんでいるという。
TABLE STUDIO Buyersguide
テーブルスタジオは、飲食店の皆さまに満足いただくための「プロのための器ショップ」です。
今回掲載のピッツァリーナ様でお使いいただいている食器の一部をご紹介します。こちらの商品はEC サイトでお買い求めできます。
EC サイト:http://ts2015online.theshop.jp/
ガラス・漆器・厨房備品も充実の品揃え
陶器のみならず、硝子・漆器類・厨房備品など飲食店開業に向けてのすべての準備が一括で揃えることができます。また、お店のコンセプトに合わせた器の提案・選定や必要数の確保など、品揃えだけでない、器に関する情報をしっかりとお伝えしてまいります。
日本全国の陶磁器の取り寄せが可能
長年の歴史・お付き合い・販売実績から日本全国の産地問屋との取り引きにより、少量多品種の販売も可能です。例えば、60 年を超える取引先の有田の伝統的な名窯の一つ・源右衛門窯の都内初のショップを渋谷・東急本店6 階に開設しています。
オリジナル商品の開発も可能
豊富な取引先から数多くの食器を選定できるだけでなく、競合店との差別化を図ることができるオリジナル商品の開発が可能です。店舗のアイデンティティーを構築する上でも、オリジナルの商品は重要な表現となります。
㈱テーブルスタジオ
〒153-0051 東京都目黒区上目黒4-2-1
☎ 03・5704・7041
http://www.table-studio.jp/
URL=http://www.table-studio.jp/
Facebook=https://www.facebook.com/tablestudiotakito
EC=http://ts2015online.theshop.jp/