東京世田谷区の二子玉川駅前にある大型商業施設「二子玉川ライズ」に、2015 年の「ショッピングセンター・テラスマーケット」のオープンとともに加わった「100 本のスプーンFUTAKOTAMAGAWA」。土地柄、家族連れでにぎわう同施設の飲食店舗でも、一際高い人気を集めている。
自然光が多く差し込み、オープンキッチン
100 本のスプーン
FUTAKOTAMAGAWA
所在地=〒158-0094 東京都世田谷区玉川1-14-1
二子玉川ライズS.C. テラスマーケット2 階
TEL/FAX 03・6432・7033
営業時間= 10:30 ~ 23:00
(L.O. フード22:00 /ドリンク22:30)
定休日=二子玉川ライズ休館日に準ずる
総席数= 84 席
オープン= 2015 年4 月24 日
運営= ( 株) スマイルズ
親と子の“初めて”を大切にした
お店づくり
「100本のスプーンFUTAKOTAMAGAWA」は、東京都と神奈川県を隔てる多摩川のほとり、都内有数の住宅地でありながら、まだまだ自然が多く残る世田谷区の二子玉川駅に広がる「二子玉川ライズ」の「ショッピングセンター・テラスマーケット」に2015 年4 月にオープンした。「思い出に残る家族の“ 初めての外食”を心から楽しんでもらいたいというシーンづくりからスタートして、店舗の運営を行なっています」と同店の事業部長、山﨑竜馬氏は語る。確かに子どものころ、家族に連れて行ってもらった初めての外食は、大人になってもその記憶が鮮明に残っているもの。もちろん大人にとっても初めて子供を外食に連れて行った日は特別だ。そんな家族の“ 初めて” 体験を演出してくれるファミリーレストランがここ「100 本のスプーンFUTAKOTAMAGAWA」というわけだ。そんな同店を運営する( 株) スマイルズは、「Soup Stock Tokyo」など多くの飲食店を手掛け、「100 本のスプーン」としては、今回の出店で4 店舗目となる。「これまでは、さまざまなソースで料理を味わうファミリーレストランというコンセプトで運営していたのですが、今回の出店をリブランディングと位置付け、0 号店として新たなスタートを切りました」とは前出の山﨑事業部長。ファミリーレストランという形態はそのままに、シーンづくりをよりシャープに“ 家族” にフォーカスしたという。山﨑氏によれば「例えば、子どもは背伸びをして、大人と同じ料理を食べてみたいもの。そこでほぼすべてのフードメニューをハーフサイズでも用意しています」といった子どもたちの目線や感性でとらえたメニューづくりなどにしっかり具現化されている。「もちろん器やカトラリーなども同じデザインでサイズ違いの物を用意しています。料理だけでなく、そこまで徹底することが思い出づくりには欠かせないと考えています」(山﨑氏)
そんな器やカトラリーに対する同店のこだわりは、同店で好評な離乳食サービスでも垣間見ることができる。メニューを子供の成長に合わせて3段階に分け、おかゆの固さなどを少しずつ変えるのはもちろん、器やスプーンなどにもメラミン素材などは使わず、子どもの手のサイズに合った木の器をそれぞれ用意している。子どもが直接触ったり、口に入れたりするものだからこそのきめ細かい配慮と言える。
ファミリーレストランの枠を超えたファミリーレストラン
そんな同店が10 月から始めるのが、「初めてのコースメニュー」だ。ファミリーレストランという業態ではあまり見かけない取り組みだが、山﨑氏によれば「誕生日や記念日などに、いつもよりちょっとおしゃれをして緊張気味に食事をした…というシーンを提供できればと思い新たに用意しました。季節ごとに、その時期ならではの食材を使った料理で、大人も子どもも一緒に楽しめるコース料理は、ファミリーレストランでなければできないと思っています」と力強く語る。もはやファミリーレストランの枠では語れない存在となりつつあるようだ。
開店当初は観光客の割合が多かった同店だが、メディアの露出や口コミなどで、徐々に地元のリピーターが増え始め、休日などは地元のお父さんが集まるパパ会が開かれるまでになったという。今後は同店で培ったノウハウを生かした「100本のスプーン」が、それぞれの地域に合った形でオープンしていくことだろう。