古越 幸太
株式会社ninoya 代表取締役
Web マーケティングやPR コンサルティングサービスを提供。装飾された広告や、虚飾を交えたエピソードではなく、企業ごとの「らしさ」を表現することでビジネスを成長させることをミッションとする。セミナーやninoya ブログにて、積極的にWeb マーケティングの手法を開示・発信している。Google/Yahoo! で『集客 コンサルティング』1 位継続中。
はじめまして。六本木でWeb 集客コンサルティング会社のninoya(ニノヤ)を経営する古越と申します。この度、本誌にて1 年間の連載を担当することになりました。題目は「逆転のWeb 集客論」です。
いささか刺激的なタイトルではありますが、実のところWebマーケティングというのは常に逆転の発想が必要になる業界です。もちろん広告予算やHP 制作予算が膨大にあればその限りではありません。
しかし、大半の方は「限られた予算でいかに最大の成果を出すか」というミッションをお持ちのはずです。その場合は常に競合会社や顧客の発想の裏を突かなければ成果は出せません。そこで必要になるのが発想の転換であり、逆転のWeb集客論になります。
そもそも私がなぜ本連載を担当することになったのか。一つには検索エンジンで「集客 コンサルティング」で1 位表示されていることがあります。もう一つは弊社が広告を一切出さずに集客していることにあります。
なぜそれが成立しているのか。そこには二つの理由があります。
⑴ Web 集客にまつわるTips を日々綴っていること
弊社のHP では一日一本Web 集客にまつわる記事を掲載しています。これはWeb 集客に悩む方への知識啓蒙は元より、弊社を検索エンジン上で見つけてもらうためです。
⑵ Tips が役に立つとより深い話を聞きたくなる
そうして弊社のHP を見つけた一部の方がより詳しい話を聞きたくなるように記事を設計しています。もともと勉強熱心でないと弊社HP を見つけられないため、結果として顧客につながりやすい方が集まる仕組みです。
仕組みとしては非常にシンプルです。
・ 弊社の顧客は検索エンジンでWeb 集客について調べるひとである
・ 顧客の悩みを解決できるTips を自社のHP に掲載し続ける
・ 自社HP に訪れた見込み客に対して適切なオファーを提示する
さて、前置きが長くなりましたが、ここで一つホテル業界の方からよくいただく質問についてお答えしたいと思います。「ホテルウエディングは高額だから顧客離れが著しい。集客に苦戦するのは致し方ない部分もあるがどう考えるべきか?」
これはホテル業界に限らず多くの業界でいただく質問です。対する私の答えはいつも決まっています。
「高額だからという理由で売れないことはありません。売れないのはそれを欲しがる顧客像が明確になっていないからです。」
先にご紹介した弊社の集客の仕組みをご覧ください。起点はWeb 集客に悩んで検索エンジンでものを調べるひとに置いています。Web 集客において欠かせないのはこのように顧客像を明確にすることです。
その顧客は検索エンジンでどんなことを調べるのか。あるいはそもそも検索しないのか。SNS をどのように活用するのか。どんなサイトを普段見るのか。広告をクリックするタイプなのか、それとも毛嫌いするタイプなのか。
顧客像が曖昧なままHP をリニューアルしたり広告を打ったりしても、それでは大きな成果は出ません。ホテル業界では成功している先行事例を習うケースも少なくありませんがそれも悪手です。
そのホテルが成功したのは集客論が正しかったのではなく、顧客を見定められたのが成功の要因です。顧客像が変わらないなら大いに参考にするべきですが、果たして狙うターゲットはまったく同じものでしょうか。
特に高額商材はその金額を払える人は誰かという発想になりがちですが、順序が逆です。なぜそれだけのコストを払いたいのか、その不安や願望の根っこには何があるのかと考えることが肝要です。
次回は「顧客は市場が縮小しているから訪れないのか?」という問題にお答えします。