鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。
お客さま目線とホテル目線のギャップ
ホテルを辞めて10 年もたつと、だんだんホテル側目線からお客さま寄りの目線に重点が移り、ついホテル内の矛盾点が気になって仕方がない。今回はあるホテルに泊まったときのコーヒーチケットの話だが、2 泊の予定でチェックインをしたときに、フロントから「お泊まりのお客さまへのサービスです」と、レストランでコーヒーが飲める無料サービスチケットを2 泊なのに1 枚しか渡されなかった。そこで私はダメもとでこう尋ねてみた。1 泊のお客さまが今日チェックインすれば1 枚もらえて、また明日別のお客さまが1 泊の予定で同じ部屋に泊まれば、また1 枚コーヒーチケットが発行されることを考えたら理屈としては同じことなので、私は連泊なので明日の分と2 枚もらえないのかと、やんわりと食い下がってみたがあっさりと否定された。この日私は既に夕食は済ませてきたがコーヒーが大好きなので、せっかくだからとレストランでごちそうになった。だが疲れているせいか何となく甘いものが食べたくなり果物をリクエストした。会計は1500 円なり。当然この売り上げはホテルがコーヒーのサービス券を発行していなければ成立しない話だから、ホテル側の戦略は大成功であるが、なぜ2 枚もらえないのか今でも納得できない。