今回は富山県の県庁所在地、富山市を取り上げる。同市は2005 年の合併により市域が全国でも上位に位置するほど広大である。しかし可住面積は少なく、都市構造の改革が求められている。豊かな水資源を背景にした産業が発展しており、地方都市としては比較的人口ポテンシャルが高くなっている。以下に富山市のマーケットと富山県の観光マーケットをみていこう。
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1. マーケットポテンシャル
富山市の人口は40万9075人(2023年1月1日現在)で、富山県全体の39.8%のシェアを占め、県内において最も多い人口を有する都市である。その他の県内主要都市を見ると、高岡市が16 万5714人で、富山市を含むこの2 市が県内における人口10 万人以上を有している。(図表1)
過去5 年間の増加率(23年/18年)を見ると、富山市は▲ 2.1%と減少トレンドになっている。その他の県内主要都市を見ると、全てマイナストレンドとなっている。大都市圏にない地方都市としては比較的減少幅が小さい都市が多い。
富山市の年齢構造を見ると、若年人口比率は17.5%、適齢期人口比率は21.5%で、若年人口比率、適齢期人口比率共に全国値(16.7%、20.9%)を若干上回っている。その他の県内主要都市を見ると、若年人口比率は射水市が18.8%、滑川市が18.4%、砺波市が18.2%、黒部市が17.5%で全国レベルを上回っている。適齢期人口比率は、富山市以外は全国レベルを下回っているが、その中で滑川市が20.7%、黒部市20.4%、射水市20.3%で比較的高い。(図表2)
高齢者比率を見ると、富山市は26.4%であり、全国値(28.7%)をやや下回っている。その他の県内主要都市を見ると、滑川市が25.8%、射水市が27.0%、砺波市が27.2%、黒部市が27.8%で全国レベルを下回っている。地方都市としては高齢化の進展が比較的緩やかになっている。
将来推計人口をみると、富山市はすでに減少フェーズに突入しており、2050年ごろには20年ベースから18%程度減少すると推計されている。その他の県内主要都市も減少トレンドに突入している。
砺波市、黒部市、滑川市は比較的減少スピードが緩やかであり、将来的には黒部市は南砺市や氷見市を上回り、滑川市は氷見市を上回る可能性がある。将来的にも富山市が県内のマーケットにおいて優位の状態は変わらない。(図表3)
富山県は立山連峰の豊かな水資源を活用し、黒部ダムの水力発電やそれを活用した産業が発展、独自性のある産業基盤があり、生産人口の受け皿となる職場が比較的確保されていると言える。
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2025年3月号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《富山市編》
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【月刊HOTERES 2025年03月号】
2025年03月13日(木)