グーグル広告営業本部の鍋嶌知子統括部長
〈profile〉大学卒業後、シェラトン都ホテル東京に勤務、コーポレートセールスなどの業務を担当。その後、OTA 大手Booking.com にて旅行業界でのデジタル活用を提案する。Google では、中小・中堅企業向けのデジタル広告の推進を行なう。
インターネットがホテルの集客にとって欠かせないツールとなった現代。このシリーズではグーグル日本法人とともに、いかにしてこのツールを有効活用し、マーケティング戦略を立案していくべきなのかを研究していく。第5 回は、デジタル広告にはどのような種類があるのか。そしてその特性を確認していく。
目的に合わせて広告を選択
「デジタル広告は、出稿の目的を考えそれに適した広告を選択することが望ましい」と話すのはグーグル広告営業本部の鍋嶌知子統括部長だ。そのためには、全体像をまず把握することから始めたい。鍋嶌統括部長はデジタル広告の概要について次のように解説する。
「グーグルが定義するデジタル広告には、大きく分けて『検索連動型広告』『ディスプレイ広告』『YouTube などの動画広告』『モバイル広告』があります。その中で皆さんが最もよく目にしているのが検索連動型広告でしょう。具体的にはウエブの検索結果表示画面の上部や横部分に「広告」と表記されているものです。出稿形態はテキスト、画像、動画などが選べます。
次にディスプレイ広告とは、検索画面から選択してアクセスしたサイト上に表示される広告です。例えば旅行関連のサイトを見ているとき、かたわらに広告が表示されたりしますね。これがディスプレイ広告です。必ずしもそのワード自体を検索しているお客さまだけではなく、サイトのトピックに興味関心を持たれているお客さま、過去に似たような検索をしているユーザーもターゲットに表示されます。
また、YouTube などの動画広告とは、動画プラットフォームに広告を表示するものです。YouTube は広告だけではなく、ホテルや周辺の動画を製作し投稿することで無料で情報発信することができます。あるリゾートホテルでは自らチャンネルを作って動画をアップされていますが、この時点ではもちろん無料。有料広告となるのは、さまざまな動画の前に動画広告などを流すとき。出稿の際にあらかじめ閲覧者の属性を設定することで男女、年齢、興味関心にあわせたターゲティングができるのがメリットです」。
鍋嶌氏は、興味関心があるユーザーにメッセージを届けるには「検索広告」や「ディスプレイ広告」が効果的、その中でも宿泊予約を目的に情報収集をしているユーザーには「検索連動型」が最適。また、認知アップを目的とするなら「ディスプレイ広告」や「動画広告」がお勧めだと話す。