バランス感ある組織体の形成を
福永 採用の段階でEQ を導入することでバランス感のある組織体を形成することも可能になります。スポーツでも音楽でも何かを成し遂げた人は強いメンタルを持っています。たとえ選手になれなくても我慢強く練習を欠かさずしてきた人は壁にぶつかりながらも克服しながら持続していく力持っています。ウエディング業界もホテル業界も人手不足が課題となっています。人数を合わせるために急きょ採用したり、とりあえず補充というように欠員補充するのではなく、精神的に強い人やコミュニケーション力の高い人材を採用するためにも見た目では判断できないEQ は活用できます。
秋本 辛かったときどのように克服してきたのかがポイントです。自身で解決したのか、持続することをあきらめることで辛さから逃れてきたのか、周囲の人に悩みを打ち明けることで自己修正をして持続するというコントロールをしてきたのかなど、人それぞれ異なります。人手が足りないときだからこそ、もっと慎重に一人一人を見極めていくためにも、面接前にEQ 診断を行なうことで、もっと掘り下げた質問をすることもできます。
福永 常に明るく前向きな人もいます。特にサービス業においては、悲観的な人よりいつも前向きで向上心の強い人の方が、お客さまにも社内のスタッフとしても必要とされます。しかし、相手の話を聞く力が弱い人は、採用してもなかなかいい成果は発揮できません。会話は弾んでいるかのように見えても、相手が望んでいることに対してきちんと回答できていないでしょう。このように潜在的な部分を診断を通して知ることで、改善すべきことが個別に明確になります。聞く力を強くする訓練をすることで、きっとよい結果につなげることが可能になるでしょう。
第9回
Wプロフェッショナルズ~求められる人材を探る~
㈱ヒューマンサイド 代表取締役 秋本泰孝 氏 × ㈱フェイス 代表取締役 福永有利子 氏
【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月20日(金)