組織活性化と企業の発展に対人関係能力を高める “心の知能指数” EQ を活用
子どものころ積み木の数を数えたり、足し算、引き算など時間制限で取り組んだ知能検査テスト(IQ)があった。まさに頭の回転を測るもの。今は頭の回転に加え「EQ」と呼ばれる“心の知能指数”が注目されている。コミュ二ケーションやモチベーションなど単純に頭の回転だけでは測れない本質を分析し活用するものだ。そこで今回は「EQ」の普及に努めている秋本泰孝氏にご協力いただき、EQ の役目や活用法などをお聞きした。
人間は「頭」と「ハート」でできている
福永 当社もEQ をコンサルティング事業に導入し、頭の良さや回転率では測れない人として個々が持つ個性を活かした研修や個別指導を行なっています。特に対面商売のサービス業においては潜在的に持っている人としての心の能力を、企業も自身も知ることは大切なことです。
秋本 人間はロジカルに思考する部分とコミュニケーションやモチベーションなどのハートの部分を持ち合わせています。どんなに優秀な人でもコミュニケーション力が弱ければサービス業には向いていません。サービス業は自身をコントロールしながら相手に気遣うおもてなしの心が求められます。経営的に厳しいときには決断力やリーダーシップ的な統率力に長けた人を必要とします。お客さまとの対話は上手でも決断力が弱ければ厳しい状況から抜け出すことはできません。つまり、各企業や状況に応じて求める人材として求める優先順位は異なります。そのためにもIQ では分からない潜在的な心の能力を測ることができるEQ により、臨機応変な組織作りや人材の配置、そして教育指導を行なうことができるものなのです。
福永 スキルは模倣したり学ぶことでアップさせることができます。ところが潜在的に持っているものは自身でも気づかないこともあります。自分ではリーダーシップ力があると思っていても実はサポート的な立場の方がより成果を発揮するかもしれません。まずはIQ でも履歴書でも分からないメンタル部分を事前に知ることが大切なことなのです。
秋本 企業にはさまざまな個性が必要です。すべてが熱血漢あふれたポジティブ派であれば、一見して強そうに見えますが歯止めがきかなくなることもあります。走りすぎている状況を冷静に把握し歯止めをかけていく役目も必要となります。