主要都市にラグジュアリーホテル出店この潮流は世界的なものとなる
----海外での展開について。今後の方針をお聞かせください。
グローバルなホテル市場には、強力なディストリビューションシステムとロイヤルティプログラムを有する競合ブランドが数多く存在します。その一方でラグジュアリーホテルにおいては、アジア発のブランドも肩を並べています。
それぞれのブランドによってお客さまが求めているものは違ってきますので、私たちもそのニーズを見極めながら海外展開について検討していく必要があります。本格的な検証はこれからですが、基本的には海外ラグジュアリーブランドの「ザ・プリンスアカトキ」に代表されるラグジュアリーホテルのゾーンを軸に進めていくことになるのではないかと考えています。
英国にはザ・プリンスアカトキロンドンがありますし、2023年内に開業予定のザ・プリンスキタノニューヨークについては、リノベーションを行ない、リブランドの準備を進めています。今後も世界の主要都市に、ラグジュアリーホテルを出店していくことになると思います。
----御社ならではのグローバル展開とは、どのようなアプローチになりますか。
当社は、日本を起源とするメイド・イン・ジャパンのグローバルホテルチェーンをつくろうとしています。
日本国内においては、ラグジュアリーから宿泊特化型のホテルに加えて、MICEの誘致にも対応できる大型施設を持つチェーンホテルという強みを生かしながら、オーナーの潜在ニーズに応えることで明確に差別化された競争優位性を打ち出していきたいと思います。
MICEを含めた宴席や会合のニーズに訴求できるだけの営業力・運営力があります。2023年は G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合、G7長野県軽井沢外相会合、そして G7広島サミットが開催され、それぞれの会場として当社のホテルが選ばれました。当社のスケールメリットを生かし全国から 100名以上のスタッフを会場に派遣し、プリンスホテル全体で一丸となって対応しました。おかげさまで宿泊した各国の首脳の方々から、プリンスホテルのホスピタリティーは高く評価されました。
2023年のトピックスの一つが、7月に開業したグランドプリンスホテル大阪ベイです。大阪万博とその後の IRの展開で期待高まる南港エリアに立地しているということで、将来に向けた重要拠点として注力していきます。
今後も西武グループ内の不動産会社である西武リアルティソリューションズと連携して、保有する土地を活用しながら新しい形態のホテルを開発していくことになると思います。